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2000.6.11-18
Part.3
Double Six Road
6月16日
さて、今日も7時に起床。少し早く支度が出来たので浜辺のほうへ。あら、あそこに見えるは松尾ちゃまではありませんかぁ(^^)うーん、朝から縁起がいいわー。挨拶をして少しだけお話させてもらって、そろそろ時間になりみんなで集合場所の中庭に向かっているとレストランのほうから杉さんがっ!!いやぁ〜ん、こんなに朝早くからお食事ですかぁ?「おはよー、こんなに早くから走ってるんだー」ああ、朝からホントに今日はついてるっ。杉さんはご自分の部屋の前の椅子に座ってこちらを見ている。「写真撮ってこよっ」とまま。さすがっ!!と私もずうずうしくままの後についてゆく。「おはようございます」そういうのが精一杯。あー、だめだぁ。次の言葉が浮かばない。ふと杉さんが着ているTシャツに目が行く。白地に宇宙っぽい模様や海っぽい模様のついたTシャツだ。よくみると「20th Anniversary」と書かれている。「素敵なTシャツですね」「そう?」と嬉しそう。それだけ言うのが精一杯で逃げるようにみんなのもとへ戻る。あ〜あ、どうして私ったらこんなんなんでしょ。今日も元気に上田コーチが準備体操をはじめる。さすがに夕べ3時までプールサイドで歌われてた伊豆田さんは欠席。だけどそれを最後まで見ていたGちゃんは朝から元気に参加。タフやなぁ。さすがっ。杉さんはまだこちらを見ている。あーん、気になっちゃってしょうがないよぉ。にこにこしながらこちらを見ている杉さんを背にランニングへ出発。う、後ろ髪がーっ。上田コーチは夕べも遅かったと言うのに朝からハイテンションでもしかして寝てらっしゃらないんじゃないかと思うくらい。松尾さんもハイテンションで2人の会話は本当に漫才みたい。やしの森を過ぎて大通りに出てしばらくすると後ろから1台の車が私たちの列を追い抜いた。後部座席から手を振る人影・・・きゃぁ〜っ杉さんですぅ!!思わず我を忘れて手を振ってしまう。いやぁ〜ん、嬉しいぃーっ。だけど「今の誰?」・・・っておいおい、みんな気づいてなかったのぉ?ってそう言えばこの中で杉さんファンって私だけだわー。気付けてよかった(^^)時計を見るとまだ8時前。杉さんこんなに朝早くからどちらへいかれるんでしょう?でもさっき杉さんが着てたTシャツ、可愛かったなぁ。20周年の時の記念のTシャツかなぁ。でも販売したのは和代人平さんがデザインしたやつだったよなぁ。後で誰かに聞いてみよっなんて思いながらロータスのほとりを走る。この道も今日でお別れなんだなーなんて思うとセンチになる。大きなスーパーもおしゃれなブティックもないけれど本当に居心地のいい街。またこの街に帰ってこられますように。
シャワーを浴びて朝食を終えるとすぐに次の目的地クタへバスで移動。ツアコンの小林さんが登場。そういえばここ何日かお姿を見てなかったなぁ。去年は一緒にプールで泳いだりランニングしたりしてたのに…。「今回他のツアーでトラブルがありましてみなさまのお世話が不充分で申し訳ありません。実は来年の事を考えまして、私と高島さん(杉さんのスタッフの方)であちこちまわってたりもしていて留守がちになっていました。」ふーん、そうだったのかぁ。何だか変だと思ったんだ。だけど何故か腑に落ちない。ま、いっか。となりは関西チームのF.Kちゃん。またまた杉さんとの出会いから昔のライブの話をしてもらう。そう言えばF.Kちゃんとは割りとよく会っているはずなのにこんな話をしたことが無かったなぁ。みんなさまざまな人生を送ってきたはずなのにどこかで杉さんという核で繋がっている。そうしてこうやってめぐりあった。なんだかとても不思議。
道はかなり渋滞らしく思ったより時間がかかりそのうち私はうとうとしてしまった。ふと目覚めるとそこにはしばらく見たことの無かったデパートやショッピングセンターが立ち並ぶ大通りだった。しばらくこんな世界にいなかったので目が回りそうだ。どこまでも渋滞の車、横をすり抜けて行くオートバイ、大きな紙袋を持った日本人。少しづつ現実の世界に近づいている気がする。バスは街を通りすぎ、街のはずれのホテルに到着した。
ガイドブックなどにもよく紹介されているこの「バリサニスウィーツ」はクタからさらに20分ほど行ったクロボカンにある。ウェルカムドリンクをいただき部屋割りを聞いた後、さっそくPちゃん、Kちゃん、ARちゃんやK子たまとホテルのトランスポートを予約した。今回の旅行の一番の目的である「6×6ロード」へ行くためだ。やっと行ける。なんだかドキドキ。どんな場所なんだろう。すべてのものを愛せる場所。夢と現実の交差点。トランスポートのお兄さんは「本当に6×6ロードでいいのか?」と聞く。そりゃ、不思議かもしれないね。「何にもないよ、ディスコがあるだけだよ。」「いいの、いいの」と言って6×6ロードの入る手前で下ろしてもらう。6×6ロードはスミニャックで一番大きなスミニャック通りと海岸線を結ぶ通りである。数珠のように連なった車の間をすり抜け6×6ロードへ入る。表通りの喧騒がうそのように静かな通りだった。両脇にはたくさんのバティック屋さんが立ち並んでいる。ウブドの市場で見かけたようなサロンとは少し趣が違って鮮やかで大柄なものが多い。「なんだか嶋田さんが着てそうだよね」ってそれだけで表現できちゃうラクチンさ(笑)おしゃれなブティックやカフェなんてないけどなんだか穏かな気持ちになる。表通りが騒がしい分、この通りの静けさが心地いい。Pちゃんとなんとなく「6×6ロード」を口づさみながら歩く。♪On the Double Six Road〜♪だんだん道が大きくなり、海が見えてきた。
海岸線をたどって行くと大きな「66」と書かれた看板が立っていた。ここかー。その前にはりっぱなカフェが。夜はディスコになるらしいけど昼間はカフェらしい。カフェの中にはプールもありバンジージャンプ台まである。すごいなぁ。記念撮影をして海岸線を歩く。浜辺ではみんな波打ち際で遊んだり散歩をしたり。バリの海は波が高く、泳ぐと言う雰囲気ではない。バリの海には魔女が住んでいるといわれているのでそんな気がするのかな。遠浅の海がどこまでも続いていて空と海の境界が分からないくらい。夏の香り、まぶしくて涙が出そう。海岸が見渡せるお世辞にもきれいとは言えないカフェでナシチャンプル(ごはんのおかずのせ)やガドガド(温野菜のサラダ)を食べる。汚かろうが、ハエが飛んでいようが気にならなくなっている自分がおかしい。おいしけりゃそれでいいのだ。
もときた道をみんなでまた歩いて帰る。なんとなく「君と浜辺を」が思い浮かんでくる。Pちゃんもそんな感じだったらしく、同じ感覚を持ったことが嬉しい。そして2人でまた口づさみながら歩く。あー、気持ちがいいなぁ。K子たまとARちゃん、Kちゃんは少し後ろから歩いてきている。ま、1本道だからね。気持ちがいいから歩いていたかった。
大通りまで出たところで振りかえると3人の姿は見えない。6×6ロードに入る道の壁にはたくさんのお店の看板が張られていた。「Jl Double Six」と書かれた看板を写真に撮っていると渋滞の車の列からクラクションが聞える。タクシーの勧誘かなぁ…なんて振りかえるとにこやかに手を振る現地の方。ん〜?なんて怪訝そうな顔したら通り過ぎた車の後部座席から手を振る人影…きゃぁ〜っ!!杉さーん!!我を忘れて(笑)叫ぶ私。えーっどうして?どうして?なんてパニック状態。Pちゃんはなんだかあっけにとられたよう。6×6ロードで杉さんに会うなんてーっ運命だわーっなんて大げさに思ったりして(笑)でもなんで後ろから私たちって分かったんだろう…と自分を見ると…なーんだPiccadillyのTシャツ着てる(爆)ああ、今日このTシャツを着てたのも運命ねーなんてまた思いこみの激しいことを思ってしまう。遅れてきたARちゃんたちに「今、杉さんが通ってったよー」と。う、ごめんよぉ。だってあまりにも一瞬だったんだもん。
その後、近くのスーパーへ買出しに。お土産や飲み物を買いこんで帰りにバクソーを食べたいねなんて屋台のバクソー屋さんを探すけど見つからない。あきらめてタクシーで帰ろうとするとARちゃんとK子たまはもう1件スーパーを見たいと言う。じゃ、別行動しようかと言うことになり私とPちゃん、Kちゃんはホテルに帰る事に。タクシーの運ちゃんに「バリサニスイーツまでいくら?」と聞くと「1万ルピア」だという。ま、そんなもんだろうと言うことになりタクシーに乗る。ホテルに着くとメーターは5千ほど。を、安くついたじゃないなんて思ってたらタクシーの運ちゃんは「1万って言っただろう」と言ってきかない。ま、しょうがない、最初の聞き方が悪かったのかもしれないね。とごねたところで日本円にしたら60円ほどの問題なんですけど(笑)
タクシーを降りホテルへ入ろうとするとそこには杉さん。きゃぁ〜っ!!思わず硬直。「さっきさースミさん(車の前座席に乗っていた現地のツアーガイドの方)がさ、すねてたよ。自分がいくら手を振っても反応してくれないのに僕が見えたとたん叫んでたって」いやあ〜ん、穴があったら入りたいっ…「車の中まで叫び声聞えてましたぜ」と追い討ちをかけるHAKOちゃん。はぁ〜っ。。。「買い物?」と聞いてくださったので「6×6ロードに行ってたんです。」「あ、そうなんだー」「お食事ですか?」「うん」とおっしゃるのでお見送り。あー、恥ずかしいっ。もう恥ずかし過ぎて何言ってんだか。
Every Night
部屋に戻るとMにゃんはまだ帰っていなかった。そう言えばMにゃんと初めての別行動だなぁ・・・なんて思いながら部屋のクーラーを入れてお風呂にお湯をためる。「あーよく歩いたなー」なんてお湯に浸かっているとボンっという音とともに部屋中の電気が消えた。げげっ。よりによって1人のときにぃーっ(涙)怖いよぉ〜っ。しばしお湯に浸かったままでさて、どうすべきか考える。フロントに電話・・・て言ってもこの状況じゃあどうしようもないなぁ。とにかく服を着なきゃ。でもドアのノブさえどこにあるかわからない。うーん、そうだ!懐中電灯!!暗闇に目がなれるのを待ってスーツケースの中から懐中電灯を取り出す。こんなところで役に立つとは。バリでは街灯なんてないから夜出歩くには懐中電灯は必需品なのだ。とりあえず服を着てフロントに電話。あーこんな真っ暗な中一人で待ってるのいやだなぁと思って廊下に出ると廊下には明かりが。ん〜?と思ったら隣の部屋のAちゃんとGちゃんも廊下に出てきてる。どうやらこのあたりの部屋はぜんぶ停電らしい。すぐにスタッフの人が来てくれて廊下にあるブレーカーを戻す。なんだ、ブレーカーが落ちちゃってただけか。無事に部屋の明かりもつき、再びお風呂に入りなおしてると再びボンっ(笑)もうこんなことじゃ驚かない。服を引っ掛けて廊下に出てブレーカーを戻す。日本だったらきっといらいらしてフロントに文句言ってるんだろうなぁ(笑)
お風呂から上がって退屈だったのでPちゃんやARちゃんたちの部屋を訪問して時間をつぶす。そのうちMにゃんも帰ってきて9時を過ぎたころみんなでぞろぞろとプールサイドへ繰り出す。いよいよまたあのライブが始まろうとしている。
プールサイドには数人の人影。ベンチに座ってビールを飲みながらおしゃべりしたり、横になったり。あぁ〜気持ちがいいなぁ。なんて思ってると向こうからギターを持った人影が。伊豆田さんですぅ〜♪分厚いファイルなんかも持ってやる気満々と見た(笑)伊豆田さんはプールサイドにあるバーの段差にもたれて用意をはじめる。私たちもデッキチェアーのソファーを持ち出して伊豆田さんの前に席を作る。「ホントはこういうの(ファイル)ってあんまり雰囲気が出ないかな?って感じだけど・・・まいっか。」とチューニングをしながらビールを一口。そしておもむろに「Every Night」を。うわぁ〜贅沢だぁ。伊豆田さんのハミングが心の尖った部分を溶かしていくような気がする。♪Every Night〜♪「あっつーっ」とまたビールを一口。「さっき食事が終わって休んでから来ようと思ったんだけどすぐきました。」ああ、なんていい人なんでしょっ。「えっと今の曲はポールがビートルズを解散して最初に出したアルバムの中から『Every Night』でした」なんだかライブ会場にいるみたいに律儀に解説してくれる伊豆田さん。「このアルバムの中からもう1曲」と穏やかで切ないメロディを。「これは詩がいいんですよね『Junk』って歌なんだけど、ガラクタって意味で2人の思い出の品を歌ってるんです。はぁ〜いいなぁ〜気楽で・・・ってこっちが気楽なんですけど(笑)」ってリラックスしてる感じでいいですわー。「明日は晴れるといいですねーウブドとかどうでした?」そうそう伊豆田さんはチャンディダサから参加したんだったよね。いろいろ気を使って話し掛けてくれる。そして「何しましょう」と言いながら「Black Bird」を。ああ、嬉しいなぁ。ギターの音が気持ちいい。間奏の鳥の鳴き声も口笛で。最後は「かぁ〜っ」って(笑)「この曲ってインドに行った時に作ったらしいんだけどギターの1弦が切れちゃって本当は1弦を使わないんだけど簡単にして僕は弾いてるんだけどね」そんな解説もいれながら続いて「Mother nature's sun」を。この曲も好きだから嬉しいな。しばらく歓談していると里ちゃんが登場。「手ぶらだー」とみんな(笑)「手ぶらじゃ困りますねー」と伊豆田さんまで。もう分かりきったように(笑)プリングルスの缶が里ちゃんに渡される。「みなさん昨日のライブはいかがだったでしょうか?」と伊豆田さん。「去年はそれぞれ別に(ピカデリー・MFB・GAR-YIZ)やったのに今年は一緒くたでそろそろいいかげんにしなさいってファンの方に言われそうだなー」なんて、そんなこと思うはずないじゃないですかっ。「ゲストが入れ替わるだけでほとんどメンバー一緒だモンな。ここに鈴木雄大が入るとバリエーション増えるかもしれないよ、IZU-YUとかミニ天トノとか…(笑)」うーん、豪華だなぁ。里ちゃんのプリングルスパーカッションをフューチャーして「Good Bye」を。心地良くてほんとに夢の中のよう。「今のはね、ポールがメリーポプキンスにかいた曲のポールの出もテープバージョン。タイトルは『Good Bye』よっちゃんの(笑)」なんてたまーにギャグもはさみつつ(笑)「じゃ、この辺でオリジナルでも…」と言って「ALGO」を。イントロが始まったとたん歓声が。ああ、大好きなんです、この曲。あー切なくなっちゃうなぁ。♪傷つき方も知る年さ〜もう〜41っ!!♪なんて(笑)ああ、せっかくはまって聴いてるのに…照れ隠しかなぁ(笑)…ちょうど曲が終わったころにぽつぽつと雨が降り始める。「あー、けっこう降り始めちゃったなぁ」やだなぁ、まだ始まったばっかりなのに。どんどん大粒の雨に変わって行ってしまった。
Love Life
みんなでプールサイドの屋根のあるところへ移動。ここにはソファーやテーブルもあってもう言うことなし。なぜか伊豆田さんの隣のソファーに座ることになってしまった。いやぁ〜ん恥ずかしいなぁ(笑)「じゃ、雨の歌を。あんまりスコールを悪く言わないで、みんな大地の恵みだからって歌です。」と「Mamunia」を。さびのリフのところで「さぁ、一緒に」ってみんなで♪Mamunia Mamunia〜♪って口ずさみながら・・・。「ずーっとポールになっちゃってますねー」なんて言いながら「Silly Love Song」を。みんなで♪I love you〜♪を歌うと伊豆田さんがコーラスをつけてくれる。うう、贅沢っ。「あれ、里村さんは?」そう言えばさっき雨が降り始めたときに帰っちゃったみたい。お腹の調子まだ悪いのかなぁ。伊豆田さんはギターを爪弾きながらいろいろと話し掛けてくれる。「雨降ったから涼しくなってきたねー明日ってライブってあるの?」って私たちに聞かれても(笑)「あるでしょうね、そりゃ」って期待しちゃうじゃないですか。「I will」を。ああ、優しい歌だなぁ。ソファーがゆったりしてるのでみんなまったりした雰囲気。「聞こえますか〜?昔アメリカでマイクなしで結構広い店でやったことあるんだけどそのときは声張り上げて歌ったの思い出しますけど・・・今日は誰も来る気配ないですねー、やな感じー」ってやっぱり1人じゃ大変ですよねぇ。「楽なのないかなぁ・・・」なんて言いながら「Little Willow」を。語りかけるようなゆったりした歌。時々波の音が聞こえる。ここの海は本当に波が高くてずっと波の音が聞こえている。「いい曲なんですよねー。この曲最近のポールの曲なんだけどリンゴの前の奥さんのモーリーが亡くなった時に作った歌だそうで・・・Willowって柳のことなんだけど・・・ん〜っいい感じ、いい感じになってきたぞー」って伊豆田さんもすっかりリラックスしてきた感じ。「明日なんか予定あるんですか?」っ気を使ってて聞いてくれたりする。誰かが「水着にならないんですか?」と質問。「そんなもん見たいぃ?水着あったほうがいいですか?」なんて(笑)伊豆田さんってそんな方だったんですね(笑)そして「Till there was you」聴きなれた歌だけどギター1本だとまた違った感じ。「うーん、いい曲っ」ってすっかりファンモードですね。「So Bad」を。こんな近くで聞く伊豆田さんの高音、くらくらしちゃいそう。「ありがとうございました。みなさん大丈夫ですか?いいんですよ、適当に帰ってくださいね。みなさん今日はお疲れでしょうから・・・」そ、そんなぁ(涙)どうしてそんなに私たちに気を使ってくださるのぉ?「今日は酔わなかったんですか?」と質問が飛ぶ。どうやら乗り物にはあまりお強いようではないらしい。「今日は大丈夫だった、酔わなかったよ、睡魔のほうが勝った(笑)」「明日は走るんですか?」「明日、走りますよー。そうだ、明日走るんだ。8時半って言ってたよ。」と。みんなタフだなぁ。「ちょっと休憩しよー」としばらく歓談タイムとなる。
「You never give me your money」を。曲の途中で杉さんと松尾さんが登場。「いらっしゃいませ〜っお待ちかねっ」大きな拍手。「今日は朝早かったもんで初めてジョギングしてるとこ見ましたっ。寝てなくって飲んだからビール1本でがんがんっ」とへろへろの杉さん。「ちょっと酔っ払ってますっ」と松尾さん。「マットもありますから、三点倒立なんて・・・」って声も飛ぶ。今、三点倒立なんてしたらホントやばそうなくらい杉さん、いっちゃってます。「雨大丈夫だった?来ようと思ったら雨降ってたからどうかなーって思って・・・で、部屋で死んでました。」うーん、大丈夫なんでしょうか?と
言いながら杉さんと松尾さんは海のほうへ。「えーっせっかく一緒にやろうと思ったのにー」と伊豆田さん。「あ、やるやる、この辺で」と杉さん。「『Blue Bird』やろうかと思って」「『Blue Bird』いいねー。東がいたらいいのにね。東来ないかな?」「どうだろ?」「毎日こうだったらいいよねー」と杉さん。ああ、こんな毎日が送れるならどんな犠牲もいといませんわぁ。はぁ〜っ。と「Blue Bird」を。杉さんも松尾さんも一緒にやると言うよりすっかり聴き入ってる感じ。「ポールの誕生日だねぇ」「『Good Bye』やった?」と松尾さん。「いいですよ、もう1回やりましょう。」と 「Good Bye」を。杉さんも松尾さんも気持ちよさそうに聴いている。「うますぎーっ信じられないっ!ポールに聴かせてやりたいっ!」「もっとやってー」2人ともごきげん。「松尾さん歌ってよーハモるから」と「ノルウェーの森」を。「歌ったことないよぉ」と言いながらも歌い始める松尾さん。はぁ〜っ。サビのハモリ、本当に素敵。贅沢すぎ。上田さんも登場。「上田さんと松尾さんのプールサイド漫才っ!!僕聞いてないんですよー。聞きたいぃー。」と伊豆田さんも催促。そこで昨夜も登場してたピアニカみたいな小さなキーボードが登場。「え、キーボード?そろばんかと思っちゃったよー」と杉さん。なんでやのぉ?(笑)「伊豆田君の苦手な裁縫道具かと思っちゃった。」と松尾さん。うーん、伊豆田さんって生活感無いからなんだか想像つかないわぁ。「マネージャーの私物、もう10年くらい返してないんだけど(笑)」「何でもやってー」と杉さん。「何でもと言っても『北酒場』とかはやんないよね『乾杯』とか『昴』とか『チャンピオン』とか『帰らざる日々とか』」…やっぱり変ですー杉さん(笑)「『冬の稲妻』とかやんないよねー『冬の南風』じゃなくて(笑)イメージ壊れちゃうよねー」…すごすぎ(笑)「今日、チャンディダサから来る時、里ちゃんが運転してたんだけど眠そうだったから上田さんと2人でずっと漫才やってたの」と松尾さん。「しかも後ろに2人で座ってね、俺が寝ようとしたらくすぐるんだよー、この男」と上田さん(笑)やらないと言いながらすっかり漫才が始まっちゃってる(笑)「いいから歌ってー」と3人に促されて「Piccaso's Last Words」を。「いい感じー、自分がやんないって言うのいいねー『Every Night』やったぁ?」と上田さん。「一番にやったよー」「じゃ、松尾さんこれやろうよー」と「Two of us」を。上田さんの太もも(笑)クラップもかっこいいなー。杉さんはなんだかとろんとみんなを見つめている。お疲れなんだろうなぁ。「いい感じー松尾ちゃまっ!」と伊豆田さん。「後でまた来るねー」と松尾さんと杉さんは浜辺の方へ行ってしまった。そして「Strawberry fields forever」を。この曲も大好きだなぁ。
そして小さなキーボードで「Love Life」を。いつの間にか松尾さんも戻ってきて立ったまま「Love Life」の歌詞に合わせて振り付け。振り付けというよりもジェスチャーゲームのようで歌っている伊豆田さん、笑っちゃって歌えなくなりそう(笑)まじめな顔でやっちゃうんだもん。でもサビのハモリはさすがです。だけど途中で「だめだーっ」と伊豆田さんがやめようとすると「ガンバレー」と松尾さん、だけど振りはやめてない。「みんな歌ってー」伊豆田さんはこっちに助けを求めるけどもうこっちもおなかがよじれそうで助けるどころか息をするのも必死(笑)「もぉ〜ほんとに笑って歌えなかったよぉー情けないなぁ」と伊豆田さん。だけどとっても楽しそう。杉さんもいつの間にか聞き入っている。今度はギターに持ち替えて「Heart of country」を。うわーギター1本でここまでカッコよく出来ちゃうモノなの?続いて「Michell」を。はぁ〜いいなぁ。途中でフランス語も入りつつ(笑)ギターを爪弾きながら「N.Y Style」を。うー、好きだなぁ、この曲。ギター1本だとまた違った感じでカッコイイ。合間に口ベースなんかも入りながら(笑)「あー危なかったーギターでやったの初めてっ」ほぉ〜そうなんですかぁ?全然そんな感じしなかったぁ。でもやってくれた事が感激。「みんな適当に休んでくださいよー僕は朝までやりますからっ」そ、そんなぁ、お付き合いしますよー(笑)でもだんだんビールも入っていい感じになってきたんだろうな(^^)「Venus and Mars Rock Show」をさりげなく入ったと思ったらどんどんテンションが上がって行く。ストロークも激しくなる。さぁ〜のって来たっ!!(笑)「思いつきでやってしまいました」と照れ笑い。といいながらずっとギターを爪弾いている。「よぉーしっ!」と「Band on the run」へ。どんどんテンションは上がって行く。聴いてる方はどんどんまったりして気持ち良くなってくる。
「贅沢だよねぇー」ホントに。すっかり伊豆田さんもおしゃべりに入って誕生日の話なんかになってくる。ジャーンとギターを弾いたと思ったら♪なんでぇ〜そんなにぃ可愛いのかぁよぉ〜っ♪ま、孫ぉ?いいぞーってほとんど宴会のノリ(笑)「でも結構好きなんですよーこの歌」から始まって♪きたぁ〜のぉ〜酒場通りにはぁ〜♪って伊豆田さぁ〜んっ(^^;;やっちゃうのね「北酒場」。しっかりワンコーラス歌っちゃうんだもん。「ギターでやったの初めてだー(笑)」「カラオケで歌われるんですか?」「歌ったことある…」と照れくさそうに(笑)「Yesterday」をしっとりと。「今日はまだ『My Love』やられてないですよねー」というリクエストで「One Two…って一人だからカウントいらないかー」って言いながら「My Love」を。はぁ〜やっぱりいいなぁ。波の音とギターの優しい調べが重なる。みんなすっかり酔いしれている。「そろそろ寝ましょうよぉ〜」って伊豆田さんもそろそろお疲れですね。時計は2時を回っている。「明日みんな発つんだよね」ああ、そうだ、もう明日にはバリともお別れなんだ。「でも『Love Life』すごかったよねー、全部松尾さんに持って行かれちゃったモンなぁ」みんなそれで大盛りあがり。松尾さんすごすぎ。「じゃ、最後にオリジナルしよっかな」「じゃ、心して…」って言うと「心して聴かなくていいからそのままで聴いて」と「Hold me tight」を。はぁ〜この曲も好きだぁ。去年、バリで初めてこの曲聴いて泣いちゃったんだよなぁ…なんて思い出しながら。♪輝く星がささやき夜明けが2人を包むまでそれまでそばにいればいい♪途中降っていた雨もすっかりやんでいる。はぁ〜幸せだなぁ。夜が私たちのまわりで優しく、ゆっくりと流れて行く。「最後に『Beautiful Night』を。」おやすみって言ったのにまだ歌ってくれる。ホントにホントにBeautiful Night。伊豆田さんの声とギターの音が空まで届いているよう。「ホントにありがとう。」それはこちらの台詞です。心の中が優しい気持ちで満ち足りている。こういうのが幸せっていうんだろうな。
君と浜辺を
6月17日
最後の朝である。窓を開けると雨。あー、最後なのになぁ、今日はジョギングないのかなぁ。それにあんなにいいプールもあるのに泳げないなんて悲しすぎ。ま、でもちょっと行ってみようかとMにゃんと着替えてロビーへ。そこにはGちゃんもままももうすでに来ていた。さすがっ。「雨ばいぃー」「雨ばいっ」ってみんなそれしか言わない(笑)スタッフのトモさんも相変わらずビデオをかかえて登場。「雨ですねー」「最後なのに・・・」なんだかみんなしょぼんとしてしまう。そうしていると上田さんと松尾さん、伊豆田さんが登場。さすがに伊豆田さん眠そう。みんな口々に「雨ばい」「雨ばい」って言うと(笑)「嬉しそうに言わないのっ!」と上田さんに怒られてしまう(笑)しばらく待ってみるけど雨は止みそうもない。「今日は中止ですかねぇ」と言うと「やろっ!!」と上田さん。「階段ランニングだっ!」と走り始める。ひぇ〜っ大丈夫なんですかぁ?ロビーを出発してホテルの中を総勢8人、走る、走る。階段を上って下りて、上って下りて。トモさんは相変わらずビデオを持ったまま走っている。すごすぎ。階段走るなんて中学校の部活以来だわ(笑)大人になって、それもバリのホテルで走るとは思ってもみなかった(笑)何度階段を上がり下りしただろうか、雨が小降りになってきた。「行けるんじゃない?行ってみよう。」と上田コーチ。外へ出てプールサイドの横を通って浜辺に出る。だんだん雨も止んできた。「いい感じーっさぁ、砂浜ランだー!」と浜辺を走る。水平線まで何にもない海、寄せては返す波打ち際をきゃーきゃー言いながら走る。走りにくくて足ががくがくしちゃいそう。向こうから馬が走ってくる。ああ、現実のものとは思えないなぁ(笑)隣のホテルのビーチまで行って折り返す。「クタのビーチは固くて走りやすかったんだけどここは柔らかいから走りにくいね、大丈夫?」と松尾さん。さすがです。どんどん空も明るくなってくる。なんだか幻想的。何にもないから空が本当に大きい。雲ってこんなんだったんだなぁ。それだけでなんだか感動してしまう。自分がどんどん真っ白になる気がする。いらいらしたことやどろどろしたそんな気持ちなんて忘れてしまいそう。どんなに人間が頑張ったってこんな大きな自然の前じゃ太刀打ちできない。
プールサイドまで戻ったところで「お疲れ様―っ」すごく気持ちがいい。みんなで最後だからと記念撮影。心地いい疲れと雨が上がった嬉しさと、そしてこの朝のジョギングの思い出ですごく満たされた気持ち。みんないい顔だね。
シャワーを浴びてレストランへ。今日はみんなゆっくりしたムード。「今日何するのぉ?」って聞いてもみんなそろって「何もしなーい。」という返事が返ってくる。今日は4時からフェアウェルパーティだものね。ビュッフェスタイルの朝食を取りに行っているとスタッフの方が「今日のフェアウェルパーティの時間が変更になりましたー。3時からですので気をつけてくださーいっ」と。「へぇ〜っ」とみんなで驚嘆の声をあげると「いやなの?杉さんが2時間じゃ短いからって気を使ってくれたのよー」と。ううう、感激ですぅ(涙)それなら余計に今日はもうどこにも出かけないでゆっくりしようということに。せっかく「Soul Vacation」をするために来てるのに、「〜しなくちゃいけない」って自分を縛っちゃうのはもったいないよね。だらだら朝食を取っていると里ちゃんや上田さん、松尾さんたちが登場。ありちゃんやけこたまも来てさらにだらだら。ああ、時間を気にせず朝食を食べて何杯もお茶を飲んで海からの風を受けている。穏やかで優しい気持ちになる。ままとMにゃんは松尾さんの所へお話に。朝からついてるね。そう言えばもうすぐ朝食の時間は終わると言うのに杉さんは現れない。昨日、寝不足だっておっしゃってたからまだ寝てるのかもしれないね。
朝食を終えて、水着に着替えてプールに出かける。朝の雨が嘘のように晴れてまぶしいくらい。みんなもプールに出てきている。プールサイドで絵を描いたりお菓子を食べたり、泳いだり。よしっ。ゴーグルをかけてプールに飛び込む。晴れているからプールの底が本当にきれい。波の影が水色の網目のようになっている。水の中にいる自分が無防備で心地いい。ああ、この感じだ。バリにいる間ずっと感じていた感覚。水の中に体を任せて漂っている、こんな感じだ。こんな気持ちのまま毎日過ごしていければどんなに素敵なことか。
プールからあがってみんなとしゃべったりしているとツアーコンダクターの小林さんが姿を見せた。「お仕事は落ち着きました?」と聞くと「はい」と笑顔。やっと小林さんも一息つけるようですね。でもプールに入って数分もたたないうちに仕事の連絡が。ああ、ホントにご苦労様。でも小林さんのおかげで本当に素敵な旅が出来ました。今回は特にお忙しそうだったけどお疲れ様。そして、本当にありがとうございました。
なんだかトラベラーズハイみたいになっちゃって、何見てもおかしくなっちゃう。プールサイドのカエルの石像だってなんだか妙。だって背中に哀愁があるのにパーカッションたたいてるんだもん。「足バグース」とか言ってみんなで足の親指を立ててると足がつっちゃってそれだけでバカ笑い。何やってるんだろ(笑)
最後のデート
プールからあがってシャワーを浴びてパーティの準備をする。バカみたいに笑った分、どんどんナーバスになってゆく。剥げかけたマニキュアを塗りなおしているとどんどん泣きそうになって来た。乾かしながらベッドに寝転んでると考えるのが嫌になってうとうとしてしまった。
ふと時計を見ると3時10分前。げげっ。バタバタと荷物をまとめて会場であるレストランへ向かう。一番後ろのテーブルにつく。Mにゃん、ARちゃん、K子たま、Pちゃん、Kちゃんが同じテーブル。ああ、こうやってこんなメンバーでご飯を食べるのも今日が最後なんだなぁと思うとどんどん涙があふれそうになってくる。ああ、だめだぁ。
杉さんをはじめメンバーやスタッフの方はレストランの奥のほうに座っていて私たちのテーブルからは見えない。杉さんが登場。「早いですねー。もうちょっといたいなーって思うんだけど、今回は特に思います。じゃ、とりあえず、乾杯しよっか。」乾杯の後、杉さんが一人づつ名前を呼んで前に出てインタビュー。ああ、いやだなぁ。また何にもしゃべれないやぁ。どんどん名前が呼ばれていく。はぁ〜っ。そうして私の名前が呼ばれる。ウェルカムパーティで撮った写真を受け取り杉さんが質問をしてくださる。「今回はどうでしたか?」「たくさん思い出が出来ました。」ああ、小学生みたいな受け答え。嫌になっちゃう。「特に印象に残ったとこは?」「プールサイドライブです。一生の思い出になりました。」ああ、一言しゃべるのが必死。なんだかなぁ。「声へろへろでしたけど・・・何曲やったんだっけ?」いやぁ〜ん、プールサイドライブ何曲やったかって手紙に書いたの覚えてくださってるのですね(感涙)「35曲です。(実は37曲でした)」と答えると「そんなにやったの?ひぇ〜〜っ?」って杉さん自身も驚いてるみたい。「でもホント、僕もすごい楽しかったです。じゃ、ゆっくり楽しんでね、Nちゃんでしたーっ」って嬉しいなぁ。ああ、泣いちゃいそう。
その後、みんなのインタビューの写真を撮るために前に出て行ったり、バタバタしててしんみりする間もなく(笑)メンバーのインタビューへ。松尾さんが登場し今朝のジョギングの話「なんだか柔道部の練習みたいでしたけど、みなさんと寝起きをともにして(笑)」いやぁ〜ん(笑)杉さんと松尾さんは同室だったらしく、カギの行き違いがあったそう。「大人なんだから責任持ちましょうね。」なんて言い合ったりして。
続いて東さん。「ウブドでは胸毛を目撃されたと言うことですが、自覚されてますか?」ってそんな質問…(笑)「伊豆田先生には負けます(笑)」「ウブドではホテルに出ないでマッサージとかしてましたよねぇ。」「そうだっ!杉さんなんてひどいんですよー。僕が(マッサージに)TELしてたら横から『僕も、僕も、去年やってもらったアナちゃんって子にして』って(笑)」杉さんったら(笑)「そんでまたTELがかかってきて『すみません、アナちゃんは結婚してやめたんですけど・・・』って残念でしたねー(笑)」杉さん笑ってごまかす。「風祭君でしたー」って(笑)
そして哲ちゃんへ。を、マイクを持ってる哲ちゃんなんて珍しい(笑)「考えてみれば、僕らは休めたんですけど哲と東はずっと出てたんだよね、こんがらがりませんでしたか?」「大丈夫です」と。さっすがー。「帰ったらゴメスザヒットマンのツアーがありますけど・・・」「これが大変なんですよーっ体育会系みたいで・・・(笑)」「16ビート系多いんで腱鞘炎なりそうですよね。僕もちらっと出ますけど・・・今、渋谷って言われても渋谷ってどこぉ?って感じですけど・・・(笑)」あー、そうだ。ここにいると東京も大阪もどこがどこだか・・・って感じ。
次は里ちゃん。「今回はバリ腹になっちゃって・・・」結構辛そうでしたねぇ。「チャンディダサから来るとき同じ車だったんだけど・・・」「左に寄っちゃって怖かったです。」「最近右ハンドル乗ってなかったから感覚がわかんなくて・・・」って言い訳する杉さん。
次は上田さん。「あっという間で楽しかったー。チャンディからここに来る間、松尾さんと漫才しながら来たんだけど・・」「2人の会話はディープな九州弁ですからねぇ。他人の入り込む余地がないですもんね(笑)印象に残ってるとこは?」「伊豆田のプールサイドライブよかったですねー、控えめにパーカッションこうやって(太ももを叩いて)やってたんだけど誰も気付いてなかった。」いえいえ、ちゃんと聞いてましたよ(^^)「昨日も上田さんのレコーディングしてる人から(小泉さんですか?)連絡もらって聞かせてもらったんだけどこれが感動しちゃいましてねー、で、宿題1曲出されました。」「すでに1曲作ってもらってるんだけど詩がどうしてもできなくて頼んじゃったんだけど・・・」「コンセプトだけは出来てるんですけどね。」「いいんですよー。あのコンセプトでお願いしますねーっ」ふふふ、楽しみです(^^)
続いて伊豆田さん。「昨日はお疲れ様でしたー、途中で見に行ったんだけど風邪薬飲んでビール飲んだらふらふらで『Blue Bird』やってたでしょ、すごく良くて、海のほうで聴こうかなーと思って行ってたら『逃げるな』って言われちゃって(笑)」「みんな参加してくれるのかと思ったのに・・・」ちょっと寂しそう。「チャンディダサのライブも良かったよね」「やるつもりはなかったんだけどつい、やりたい虫が出てきて・・・」「部屋で聴いてたんだけどすごくよかったぁ。」
次はPAの長林さんの紹介。だけどシャイな長林さん遠慮しちゃって頭を下げるだけ。そして渡辺かおるちゃんの紹介。「今回はギターの練習をしようと思って海に向かってやってたら、みなさんに見られてしまって・・・」と照れくさそう。だけどよかったらしいです、かおるちゃんのシーサイドライブ(^^)「かおるちゃんてしっかりしてて隙のない人だと思ってたけど隙だらけですねーっ、お呼びでなって感じの聞き間違いとか。思い込みが激しいんですかねぇ・・・」と杉さん。「そうなんですよー」とあっさり認めるかおるちゃん。そしてスタッフの紹介。わがままな参加者のお世話で大変だったとは思いますが、みなさん、それぞれに楽しんでいらっしゃったみたいでちょっとほっ。続いてツアーコンダクターの小林さんの紹介。「今回は不行き届きな点が多くて申し訳ありませんでした。しかし、私にとってみなさんが無事でツアーを終えることが出来てよかったと思っています。お天気がちょっと悪かったりして残念でしたけど、この思い出を糧に月曜日から頑張りましょう。」なんだかうるうるしちゃう。
歓談タイムの後、新しく出る薫ちゃんとのマキシシングルの発表。写真を撮りに前に出ていた私やPちゃん、ARちゃん、K子たまはその場から動けず前でしゃがんで聴くことに。「フルコーラスかけちゃおうかな?『最後のデート』っていうんだけどああいう海岸をデートするのを想像しながら聴いてください。」と杉さん。私たちは歌詞のひとつひとつを聴き逃さないように必死で聴いている。杉さんはこっちを反応を気にしながらもジャケットを見ている。あーだめだぁ。固まっちゃう。懐かしくてそして優しい大人の歌。「次はトロピカルな曲なんだけどビッグバンドをバックに薫ちゃんが歌ってるって感じなんだけど私はスマイリー小原さんみたいな感じで。ロビーナって僕、1回しか行ったことないんだけどバリの北側にある海岸の名前で、ちょっとラテンっぽい響きがするでしょ?イメージとしてはエグザイルスみたいな感じで、人と違うってるんだけども、そういう連中が集まるって感じで・・・では、エグザイルスをイメージして聴いてください。」と「クラブロビーナ」を。イントロが始まったとたん4人で顔を見合わせてにこにこ。なんだかとっても嬉しくなっちゃう。杉さんの新しい曲をこういう風に杉さんを好きな人と一緒に聴けるなんて。「もう1曲はアコースティックギター1本と薫ちゃんのコーラスだけの歌です。」と「お聞きローズマリー」を。だめだぁーこんなにクリアに杉さんの声が聞こえてくるだけでくらくらしちゃう。歌詞がどんどん自分の中に飛び込んできて胸が苦しくなる。やばい、涙腺切れちゃった。「・・・って感じでした。ってわけで7月19日、買ってちょ。」と照れ隠しをする杉さん。ああ、でも杉さんにしてもこんなにダイレクトに聴き手の反応が見れて嬉しいだろうなぁ。
永遠のShangri-la
「みんな集まってー」とA美iちゃんが叫ぶ。これから私たちから杉さんへの歌のプレゼント。「今回思ったのはあと100年早く生まれても、遅く生まれても杉さんの音楽には巡り合えなかったということです。今だから巡り合えたこのすばらしい奇跡に感謝して今回はこの歌を選びました。素敵なカラオケを作ったのは都合でこれなかったドリームランドのメンバーです。そんな人たちの思いも込めて歌いたいと思います。聴いてください。」と「永遠のShangri-la」を。イントロが流れ始めたとたん鳥肌が立って我慢が出来なくなる。下を向くとぼたぼた涙がこぼれる。ちゃんと歌おうと思うのだけどどうしても歌えない。いろんな思いが自分の中に湧きあがってくる。♪この星で君に巡り合えたこと♪たくさんの人たちとの出会い。一人ぼっちでいた日々、大切な人への思い。杉さんは私たちの前に座って優しい顔で聴いてくれている。顔が上げれない。歌わなきゃ、歌わなきゃ、そう思えば思うほど歌えない。たくさんの奇跡が私をここにいさせてくれている。感謝と、うれしさと、さみしさと、そして…。♪It's a miracle いつの間にかこの目に溢れるものを…♪
「テレマカシー!!(ありがとう)」杉さんが叫ぶ。「サマサマーっ!!(どういたしまして)」たくさんの幸せな気持ちをもらってありがとうを言わなくちゃいけないのはこちらの方。「弦切れちゃったままだー。ギター貸してぇー」とかおるちゃんのギターを借りて杉さんがマイクの前に立つ。「この距離っていうのもいいもんだよね」私たちと杉さんの距離はほんの数メートルしかない。「じゃ、今度は僕から気持ちってことで『永遠のShangri-la』を歌います。…だめ?(笑)一緒に歌って、今度は。僕の気持ちになって…歌って。」だけど歌えない。初めて聴くギター1本の「永遠のShangri-la」。優しい杉さんの声、また涙が止まらない。ずっと帰りたくない…。間奏で「哲、ソロっ!」哲ちゃんのギターソロ、心の中で聞えるよ、ちゃんと。「伊豆田先生、最後のコーラスお願いね。」伊豆田さんの声が重なる。打ち合わせもしてないだろうにちゃんと伝わっている。音楽ってすごい。「どうもありがとう。今回の旅は、今まででバリに来たうちで一番楽しくて、いろんなことがいっぱいあった旅でした。今回は宿題もいっぱい出されちゃったんで、いつかみなさんにその宿題を報告できたらいいなと思います。一緒に時間を過ごせて、そしてこんなにも共有できる皆さんがいて僕は世界一幸せなミュージシャンだと思います。ホントにどうもありがとう。」
スタッフ、メンバーとみんなで記念撮影。BGMは「Happy Ending」が流れている。たくさんの拍手。席に戻っても私はまだ放心状態。そして「Best of my love」へ。ダメだね、そんなことにすら泣きが入ってしまう。みんなでさっき聴いた新曲のことを話す。「ダメだよね、弱ってる時にあんな歌聴いたら(笑)」「はまっちゃうよね、『君の知らない君を知っているつもり』なんて言われちゃぁねぇ」なんて、もうすっかりはまってる。
「あっという間の1週間でしたけどさっきも言ったように今までで充実した旅でした。体調も最後の方までは崩さずに来たし、いろんなことを教えられたバリでした。たぶん…みなさん一緒にいるんだけどそれぞれの旅をするって言うのがバリのいいところだと思うんですけど、事後報告を聞かせてほしいと思います。それが第二の楽しみです。」と。
この後、成田組と関空組はお別れ。別れなくちゃいけないなんてね。なんだか信じられないね。事務連絡をするツアコンの小林さん。成田組はこの後すぐ空港へ出発。気持ちの整理できない。夢のような日々が終わる。
成田組を階段で見送っている杉さんは一人一人に言葉をかけ、ハグをしている。それぞれの気持ちの中でそれぞれの思い出へと変わる。そして現実の世界へと戻って行く。
成田組がバスへ向かう。仕事で先に帰る上田さん、哲ちゃん、かおるちゃんも一緒。杉さんもお見送りの為にバスに乗りこむ。「ありがとね。」それが精一杯。みんなとハグをして手を振る。こんな時、どんな事を言えば自分の気持ちが100%伝わるんだろう。一緒にいてくれてありがとう、一緒に笑ってくれてありがとう、一緒に歌ってくれてありがとう、伝えたいことはたくさんあるのに…。
アリア
成田組を見送った後、関空組は途方にくれてしまった。レストランから出てしまったものの、あと出発まで3時間もある。ホテルの部屋はチェックアウトしまっているし、出かけるにしてもこのホテルの周りには何もない。ただ、ロビーでだらだらとしているしかないんだろう。松尾さんが現れ、MにゃんがFCの会報の取材をしていた。それが終わった後、「松尾さんがみんなを呼んで来てくれるって、何かやってくれるかもしれないよ。」と。慌てて散歩に出ている人達を呼びに行く。
しばらくするとギターを持った伊豆田さんと東さんと里ちゃんがロビーにやってきてくれた。ロビーの少し高くなったソファーがステージへと変わる。たった10人のためのとても贅沢なライブ。そう言えばこういう場所に東さんが現れるのは珍しい。だけど伊豆田さんの物まねをしたり、人のMDで遊んだりごきげんだ。「3日連続で残業ですねー」と松尾さんが伊豆田さんに向かって。そう言えば伊豆田さんはこっちに着いてから毎晩夜中までライブをしてくださっている事になる。「みんな協力するようにっ」と伊豆田さん。ギターを爪弾いていると「こんな感じだと演歌が始まりそうですよね」と東さん。すかさず♪なんでぇ〜♪と「孫」を一節。どうやらとってもお気に入りのようですね(笑)「いいねぇ〜」と思わずみんな拍手。それに促されるように「Blue Bird」歌いながら「はもってねぇ〜」と。ああ、豪華だわぁ。間奏の間にいろいろ話したりして今日はとてもリラックスした雰囲気。それがまたとても心地いい。「いい感じですねぇ〜なかなかいいよ、もっと続けて」なんてまるで他人事のように東さん。里ちゃんはまたプリングルスを手渡されパーカッションに。伊豆田さんのオリジナルの「Silent Face」を。とても静かで切ない歌。「じゃ、松尾さんが切々と歌います」「え、何?」「『This Boy』」「いいねーこの組み合わせ、新鮮だよね」と言いながら「This Boy」を。即興でこうやってコーラスが出来て行くんだから本当にすごい。歌詩も何も無いのに、こうやって繋がっているのはやはりビートルズだからなんだろうね。「このパターン初めてだね」「いいね、このメンバーも」「このパターンで何か作りましょうか?」「あ、ズラーズ?」なんて(笑)「東、やってよー」「何言ってんですか、やってくださいよ、先生」と促されて松尾さんが「In my life」を。間奏では口ギターや口ベースも入りながら。東さんもそのあたりの柱を叩いてパーカッションにしたりして。「We can work it out」を。「得したねぇ」なんて言われたりして。もう、本当に成田組さんには申し訳ない感じ。「東歌いなよぉー」と松尾さん。「えー」と言いながらも「Baby it's you」のイントロが始まるとマイクを持つ振りをしながら照れくさそうに歌い始める。そしてコーラスが重なって行く。「『風のBad Girl』に似てるよね」と松尾さん。そんなー作った人が言わないでくださいよ(笑)「何か飲みたいなぁ〜っ」と伊豆田さん。そりゃそうですよね。「バリハイがいいなぁ〜」なんて里ちゃん。「誰の部屋に付けておくぅ?杉くん?」なんて意地悪な松尾さん。「じゃ、関空組に付けとこう、今日のチャージとして」こんなライブが見れるなら安いものです、はい。(ってもちろん冗談なんですけど。)
「里ちゃんの歌で1曲やります?」「無いよー」「『One Summer Girl』のコーラスだけ、とか♪ファンファンファン♪って(笑)」「♪ぃやっほ〜っぅ♪がいいよ」「そうそう、オレたちやったけどやっぱダメだよね、恥じらいが出て(笑)」「この人、すごいもん、リハーサルでも『ちょっと♪ぃやっほ〜っぅ♪のタイミングだけやらせて』って何回もやるんだもん(笑)」さすが、里ちゃん。やっぱり里ちゃんの♪ぃやっほ〜っぅ♪は絶品です(^^)「きっちりしてんのよ」「上田君帰っちゃったけど、上田君を偲んで」…偲んでって…(笑)「心の旅」を。うーん、こんな時じゃないと聴けないかも…と思ってたら♪はぁ〜なからこんにゃく出たぁ〜♪って東さーんっ(^^;;もうほとんど宴会のノリになってきた(笑)続いて「僕が作った愛の歌」を。ギターを爪弾いてるだけだけどそれがとても心地いい。また♪北のぉ〜♪って「北酒場」を一節歌うまた伊豆田さん。「イメージ崩れるからやめなさいっ」と諭す松尾さん。そうですねぇ、ずいぶん今回で伊豆田さんのイメージも変わりました。こんなにおちゃめな方とは・・・(笑)「Love Life」を続けて。また振り付けをする松尾さん。くぅ〜っ・・・や、やめてくださいぃー笑っちゃってお腹が痛いぃーっ(涙)高音のハモリを入れながら「僕、杉です」と杉さんのまねをしながら杉さんのパートを歌う東さん。ふふふ、いい感じ。だけどサビで松尾さんも入ると一気に歌に緊張感が出る。また最後のうなりをマネする東さん、本人を差し置いてやっちゃいますか(笑)だけど「上手いじゃん」と言われたりして(^^)
ビールが届き、喉を潤すと「この組み合わせもいいですねぇ。」なんて。「『アリア』歌ってー」とリクエストが。「『アリア』ねぇ、今んとこギターだけじゃちょっとねぇ」なんて言いながらギターを弾き始める。うわぁ〜かっこいいっ!!東さんや松尾さんはそのギターに合わせて太ももや花瓶を叩いてリズムを取る。自然と私たちも身体が揺れる。豪華だなぁ。「コードチェンジ、すごいねぇー」「コードが多いんだよね」「ちょっときついんだよね」「ピアノで作ったの?」「そうそう」「マイナー7のとこのメロディ結構良かったよー」「ワンコードのとこ?」「Cメロのトコ?」「そうそうそう」「♪ら〜ら〜・・・♪トコ?」「そこそこ」「いいよねーそこ、コードが動かない分、カッコイイ」「そうぅ?」なんてこんなミュージシャンの会話、聞けるのがとても幸せですっ。「でもいいよねー飛行機、直行でしょ?何時に着くの?」と里ちゃん。成田着だとジャカルタで乗換えなんですよね。「7時です」「そっかー、それから会社に行く人とかいるの?」「いや、日曜だし…」「あ、そっか、そっか。もう曜日感覚なくなってるやー」「そうだねー、でも東京いる時からあんまり分かってないけど(笑)」と東さん。「いやっ分かるっ!!ゴミ出す日で」なんて生活観の無い松尾さんが言うとなんだか不思議な感じ(^^)「バリはどうだった?」「こっちに来て2kgは太ったなぁ」「オレは痩せたよー」とお腹壊した里ちゃん。「何か当ったんですか?」と聞くと「多分、ホテル(チャンディダサ)の部屋にあったポットの水だと思うんだけど…」うっ…私、それボトルに詰め替えてずっと飲んでたのに全然平気だったんですけど…(汗)。なんてしばし歓談の後、伊豆田さんがまたギターを爪弾きながら「Only one more kiss」を。とっても軽くて心地いい感じ。なんだかここがホテルのロビーなんて信じられない。「ねぇ、誰かかゆみ止め持ってない?」と里ちゃん。「あ、持ってます」と私が立ち上がって松尾さんの横に置いてあったバックの中からかゆみ止めを取り出して里ちゃんに渡した。「あっ!」みんなが座っている後ろから杉さんが現れた。
Sailing Away
「おかえりなさーいっ」「待ってましたっ!」拍手が起こる。「みなさんお揃いで」と杉さん。「やってっ!なんか、私たちズラーズが場を持たせてましたっ!」「みんなもうやったんだよー」「里ちゃんも?」「そう、♪ぃやっほぅ〜♪って(笑)」杉さんはさっきと違う昨日着ていた20周年のTシャツに着替えていた。「バリハイいかがですか?」とビールをすすめられる杉さん。「何やったのぉ?」「『Blue Bird』に始まり『Love Life』あり、ね。」と松尾さん。杉さんは「ずるいっ!」といいながら中央のソファーに座る。「やった?『Sailing Away』とか…『愛はタイムマシーン』とか…」と東さんに。「『愛はタイムマシーン』いいねー」と松尾さん。杉さんがギターを持ち「愛はタイムマシーン」を。ギター1本のPiccadillyなんてもしかしたら最初で最後かもしれない。それぞれが自分の楽器のパートをコーラスで補って行く。最初は照れていた東さんもとても肩の力を抜いて歌い始める。コーラスが重なって行く。みんなからため息がこぼれる。こんなにも近くて、そして生の歌声。こすれるギターの音と、それぞれの声、そして波の音しか聞こえない。
「さすがっアマズちゃまっ!!」と杉さん。いきなり「禁じられた遊び」を弾き始め、「禁じられた女遊び!」って(笑)「なんかあるぅ〜?」とリクエストを聞いてくれる。「Darlin'」と声が上がる。「すごいところ来ましたねー。」「古いギターがあるぅ〜♪って?」「半音上がるとこまでなら…」「やばいっ!ばれちゃいますよ」「だめっ、これは、東京帰ってから!」「これと『愛の歴史』はダメっ!」「じゃ、『愛の歴史』…そんなこと出来ないよね…」「え、いっちゃうの?」「どれだけ出来ないかやってみようよ(笑)」と「愛の歴史を始めよう」を。♪すべてはキャッシュ♪とまた伊豆田さんの物まねをする東さん(笑)「ちょっと待って…」とギターを爪弾く杉さん。「あ、いけるかもしれない」とギターを弾き始める。みんなの身体も自然に揺れる。それぞれのパートからコーラスが重なって行く。♪オーロラの光深く吸い込めばぁ〜♪みんながすぅーって息を吸い込む(笑)ギター1本で足りない部分はそれぞれがコーラスで。ああ、贅沢だなぁ。最後の別々のフレーズはそれぞれの歌がどんどん一つにまとまって行く感じで感動モノ。「何とかやれるもんですねー(笑)」と杉さん。「なんかないですか〜?」と杉さんが言うと松尾さんが「『雪の降る街を』!」と。「あの広がり具合がいいですよねー。メジャーになってから歌い方まで変わっちゃうんだもん。(笑)」と東さん。「でもいい曲でしょー」と歌い始める杉さん。だけどそれって合唱団みたいな歌い方ですよね(笑)♪夏が来れば思い出す〜♪「あ、歌詞忘れちゃたなー」と(笑)
「他にあるぅ〜?」思いきって「『Confidential』」と言ってみる。「『Confidential』ねー」と言いながらギターを弾き始める。優しくて穏かで幸せな気持ちでいっぱいになる。プールサイドの時はリクエストが言えなかったけど思いきって言ってみて本当に良かった。「うろ覚えだったけどね」と照れくさそうに笑いながらギターを爪弾いている。「カポなんて無いよねー。」「ありますよー」と伊豆田さんがカポを出してくる。そしてまた爪弾いたと思ったら「Look for a star」を。もううるうる状態。ずっと聴きたかった曲を2回も聴かせてもらえるなんて…。このホテルもそうだけどバリの建物の多くは壁が無い。心地良い風が吹きぬけて行く。星も出ている。柔かなギターの音と、杉さんの声が夜空に溶けて行くよう。自分の心が満ち足りて本当に涙が出そうになる。「杉さーん『お泣きメアリー』」とリクエストが飛ぶ。「うわぁー『お泣きメアリー』?昨日声が出ないからやめたんだよね(笑)」「『お泣きメアリー』だったら参加しないといけないな」と松尾さん。「One Two…」♪Cry〜♪と伊豆田さんと松尾さんのコーラスが重なって行く。途中の鳩の鳴き声もちゃんと入れてくれて(笑)それぞれがアドリブでさまざまなコーラスが重なる。はぁ〜思わずため息。「ピカデリー何とか出来ますねー『Sailing Away』やったぁ?」と杉さん。「やってなーい」とみんなから声が飛ぶ。「やってー東ちゃまっ!!」東さんはすっかり別のソファーに座ってビールを飲んでくつろいでいる。「ここで聴いてるのがいいなぁー」「ノンノンノン(笑)」とおちゃめな杉さん(^^)ギターを始めるけどまだビールを飲んでいる東さん。「それでは歌っていただきましょう」と里ちゃんの言葉に促されてまた照れくさそうに歌い始める東さん。本当に今この海からの風と穏かな夜にぴったりの曲。はまりすぎて涙が出そう。小さな声で歌っているけどとても厚いコーラス。「じゃ、次は『ムーンライトランデブー』!」って杉さんがリクエストを出す。「今は声が出ないよー、お酒飲んでるから。今の僕には無理っ!」と松尾さん。「じゃ、これは?」と「Dry Season」のイントロを弾き始める。小さな声で歌い始める松尾さん。それがとても心地いい。この曲を聴くだけでウブドの町並みが鮮明に浮かんでくる。誰かが蚊を叩く。「今の蚊?1本締めかと思っちゃったよー」と杉さん。「1本締めする?」と松尾さん。ううう、やですー。出来ることならずっとこのまま続いて欲しい。「『Love Life』どう?」と杉さん。「いいねーやろっか」と松尾さん。みんなから「フリ?」と声がかかる。だけど「フリはいいよー」と(笑)そして「Love Life」を。それぞれがさまざまなやり方で歌に重なってくる。ギターのストロークも激しくなる。一人増えることでこうやって歌のテンションが上がって行くんだなと思うと本当に音楽ってすごいものだなと思う。
ちょうど「Love Life」が終わったとたん「バスが到着しましたー」とHAKOちゃん。夢のような時間は終わりを告げられた。
Smiling Face
バスが到着したと言ってもまだ名残惜しい。みんなで写真を撮ったり、サインをしてもらったり。Mにゃんが松尾さんの会報用のコメントを杉さんにもらっていた。私は杉さんの20周年のTシャツを写真に収めたくて横で待っていた。「Tシャツ、撮らせてもらっていいですか?」と聞くと「そう思って着替えてきたんだ。」と杉さん。その言葉で胸がいっぱいになる。私が何気なく昨日言った「素敵なTシャツですね」っていう言葉を覚えていてくださってたんだ。「これね、昔のPAやってくれてた人が作ってくれたんだ。」とうれしそう。「みんなで素敵だな、あれは何のTシャツだろうって言ってたんです。」と言うと笑顔。杉さんのスタッフを大切に思う心がここにも表れているんだと思うとまた胸が熱くなる。
「早くしてくださーい。」とバスへ促される。バスへ乗り込もうとすると「Nちゃん、杉さんにハグしてもらってないでしょ。」とMにゃん。他の関空組の人たちは成田組のお見送りのときにハグをしてもらってたそうだ。私はバタバタしていてそれを知らなかった。「え、いいよぉ。もういっぱいいっぱい。」笑ってごまかす。正直、杉さんとのハグは、恥ずかしくて苦手だった。もちろんうれしいけれどみんなみたいに上手く出来ない。本当に石みたいに固まってしまう。それにもう十分に心は満たされていた。これ以上何かをもらうなんて申し訳ないくらい。それを耳にした杉さんが「あ、Nちゃん」とバスに乗り込む瞬間にハグしてくれた。また棒っきれみたいに立ち尽くす。もう頭の中は真っ白で何も考えられない。また胸がいっぱいになり、何も言えなくなる。「日記、また書いてね、楽しみにしてるから・・・」杉さんはそう言ってくださった。ただうなずくことしか出来ない私。情けなくて、だけどうれしくて。「みんなで愛媛、待ってます・・・」そう言うのが精一杯。「楽しみだね。」杉さんは笑って答えてくれた。
バスへ乗り込むと杉さんや他のメンバー全員で見送ってくれる。みんなで手をつないでウェーブをしてくれたり、Baby! it's all rightの振りをしてくれたり。そしてこっちまで幸せになりそうな笑顔で手を振ってくれる。バスが動き始める。みんなガラス窓に張り付いて手を振る。杉さんたちはバスが見えなくなるまで手を振ってくれていた。
頭の中は真っ白だ。ウェルカムパーティの時に撮ってもらった写真を取り出してみる。杉さんの隣の固い笑顔の私。思わず吹き出してしまった。いつまでたってもちゃんと笑えないな。去年のバリと何一つ変わらない自分の態度がおかしかった。いつまでたっても石のままの私。
気持ちを伝えられない歯がゆさ、情けなさ。それは今始まったわけじゃない。きっとずっと感じていたこと。言葉が足りなくてたくさんの人を傷つけたり誤解されたり、そんな悲しい思いをして来た。伝えないのにわかって貰えるはずはなかったんだ。私のエゴでしかなかった。杉さんは音楽と言う形で私たちに気持ちを伝えてくれている。ある人は絵を描き、ある人は料理を作る。それが気持ちの現れならば、私はこうして文を書こう。そう思った。それが私のやり方なんだ、それに自信を持とうと。
私はとても満ち足りた気持ちだった。バリですごした1週間、本能のままに過ごしたんじゃないかと思う。そばには大好きな音楽と、大切な仲間がいる。おいしいものを食べて、走って、泳いで、買い物して、ライブを見て、おしゃべりをして…毎日その繰り返し。笑って、泣いて、歌って本当にパラダイスだった。いい事だけじゃなかったかもしれない。だけど、そんなことはすっかり忘れてしまっている。去年のこの帰りのバスの中では寂しくて、悲しくて仕方なかった。現実の世界に戻るのが恐かった。みんなと離れるのが悲しかった。いろんなことに一生懸命になりすぎてそして自分で自分を追いこんでしまっていた。
だけど今年は違う。現実に戻っても大丈夫、みんなと離れていても大丈夫。何故か自分の中に自信があった。バリが私にたくさんの事を教えてくれた。風、雨、雲、蛍、虹、海…そんなものが私を包んでいるということ。私がいくらもがいたってそれらはどうしようもなく大きくて、いつも同じように私を包んでくれている。ならば思いきって力を抜いてその中に漂ってみようと思った。どんなことがあってもきっと大丈夫、何とかなる。みんなと離れていても繋がっている…不確かだけどなぜか強く思える。だからもう平気。
毎日の日常の中で笑って過ごせる日々が続くことなんて無いのかもしれない。嫌なこと、辛いこと、数えてみればきっと数え切れないほどあるのかもしれない。だけどこの楽園みたいな日々を思い出せばきっと笑顔になれる、そんな気がする。
「光あふれる島 僕らはそこにいた 忘れないでSmiling Face」
【後記】
こんな拙い日記を最後まで読んでくれて本当にありがとうございました。
たくさんの幸せな気持ちをくれた杉さん、そして同行してくださったアーティストの方々、
スタッフの方々、PTAの小林さん、本当にありがとうございました。
そして一緒に「Smiling Face」で過ごしてくれた最愛なる仲間たち、
ホントに、ホントにありがとう。
こんな日記を読んでくださったみなさん、感想を述べてくださったみなさん、本当にありがとうございました。
みなさんがいたから私はこうやって書き続ける事が出来ました。たくさんの事があったバリの旅だけどこうして思い起こせば、
すべてが優しい思い出になっています。
たくさんのものを与えてくれたバリとそこにいさせてくれた奇跡に心から感謝して…。この日記があなたの「Smiling Face」へ繋がりますように。
Very Special Thanks to Dreamland & Masamichi Sugi
M-nyan,P-chan,AR-chan,Kko-tama,mama
&My Soulmates & YOU! with HUG & KISSWritten by nia