★原宿石日記★

★26th may 2001★

♪あーなーたーにあーいーたーいーな♪「こんにちは〜前座の天地良太郎です」照れくさそうに一人で登場した天地さん(笑)は白いシャツに赤いパンツ、チェックのサスペンダーをしている。会場からは笑いと大きな拍手。「今日は杉真理さんが作った自宅製のカラオケを入手したのでそれにあわせてワタクシ天地良太郎が歌わせていただきます。」「Moon River」を。幾重にも重ねられた杉さんのコーラスに天地さん(笑)のボーカルが重なる。清らかで神々しい雰囲気さえかもしだしている。「ティファニーで朝食を」の中で歌われている私も大好きなこの曲、杉さんの中のヘップバーンはこんな永遠に清らかなイメージなんだろうな。

「ワタクシ、天地真理の天地と杉良太郎の良太郎という組み合わせでやってますが…」もう種明かししちゃいましたか(笑)続いて同じく多重コーラスの
「OH CANDY」を。ずっと聞いている曲だけど新しい杉さんのコーラスワークが感じられるアレンジになっていて思わず顔がほころんでしまいそうなくらい暖かな気持ちにさせてくれる。

「今日は実は杉真理さんから白いワンピース姿で『つめたっ』とか言いながら出て来いって言われたんですけどそれだけは勘弁してくれって断ったんです…。」いやぁ〜ん(笑)何かのCMみたいですねー(笑)「時々、記憶がなくなって乗り移っちゃうらしいんですけど今日はみなさんの前で乗り移るさまをお見せしようかなと思いまして…憑依…憑依…憑依ぃーーーっ!」

そしてピアノのイントロへ…♪昨夜一人のバックステージで…♪「Back Stage Dreamer」を。今の間に天地良太郎さんに杉真理さんが乗り移っちゃったのですねー(笑)うう、こんな始まりなのぉ?緊張してるヒマないよー(笑)いつの間にかそれぞれのポディションに付いているすっかりおなじみになったMSQのメンバー。なぜかコート姿にウエスタンブーツ姿でにこにこの藤田さん、熱く、クールな島村さん、スマイルマークのTシャツに赤いスリムのジーンズのケースケさん、グレーのマオカラーのスーツの今日はとってもダンディな嶋田さん。一見本当にばらばらに見えるメンバーが1つの完成された音楽を作っていく。年月を重ねてこの曲も少しづつ形を変えて今の杉さんのBack Stage Dreamへと繋がっているんだろうな。続いてパーカッションのイントロから「Smiling Face」へ。

「どうもありがとう、
杉真理です!」(笑)「この前ナイアガラトライアングルVol.2のクレジット見てたら3人とも共通して叩いたのはこの人だけでした!この人のドラムを聞くだけでも今日は来た甲斐あります!島村英二!」「竹下通りを通ってきたら藤田君に似合いそうなものがいっぱい売ってましたけど(笑)今日はこの方の腰のグラインドを見れるだけでも来た甲斐があります!藤田哲也!」「ギターの彼は学校の先生もやってるんですよ。ロックの先生ですけど。この人のロック魂を見るだけだけでも今日来た甲斐があります!ギター山本圭右!」「キーボードは僕のPOP MUSICのサウンドプロデューサーとしてやってくれてます。この人のサーカスの技のようなキーボードを見るだけでも今日来た甲斐があります、嶋田陽一!」大きな大きな拍手。「今日はゆっくり楽しんでいってください!」と言いながらピアノのイントロへ。なんだ、なんだ?耳をすまして聴き入る。音が重なっていくたびに会場が揺れている。ああ、「スキニ―ボーイ」だぁ。この辺の曲が来るとダメだなぁ。気持ちがあの頃にタイムトリップしてしまう。「God Bless You!」そう叫んでいる杉さんはあのころのスキニ―ボーイのまま。間髪入れずに「Daddyはロックンロール中毒」へ。座っているけどみんな身体が揺れている(笑)ケースケさんのギターソロが始まるとあちこちから悲鳴のような声が。「スターライトラプソディ」はぁ〜。みんなそれぞれに思い出が詰まっているんだろうな。ピアノのソロが心地よく響く。きらきら華やいでいたこの曲もほんの少し光度を落として光と影の部分が見えるようになったのは自分が年齢を重ねたからなんだろうか?

「POP MUSICを出していろんなところにインストアライブで行って最後に松本でやったんですけど、その日に家に帰ったら安部泰宏くんから電話があって僕の家の近所の彼の友達のところで食事会するからおいでよって言ってくれて行ったんです。すごくハイソなお宅で料理もすごくおいしんだけど料理のたびにワインもグラスも替えてくれたりして、かかってる音楽もオペラだったりして(笑)安部君も実は別荘があったりするお家柄だから、別荘話なんかしたりしちゃって。僕なんか、もうべっそうもないって感じなんで(笑)」でたぁ〜(笑)「いたたまれなくなっちゃって『ああ、早く家に帰ってクラフトの切れてるチーズとか食べたいなー』とか思っちゃったりして。でもすごくいい人で『安部さんと杉さんで何かやって下さい』って言われちゃってギター家に取りに帰ってその時に『あの人たちの前で下品な話できる?』って聞いたら『できないことはないけどぉ…』っていうからよし、頑張ろうって思ってビートルズなんてやってその後、3時までかかって下品な話に落としました(笑)」って自慢気な杉さん(笑)そして
「So Fine, So Good」へ。いつもいつも励ましてくれるこの曲が会場の空気を半音上げてくれている。大きな拍手からあの聞きなれたイントロへ。「Catch Your Way」道に迷ってしまってどうしていいか分からないとき、この歌を聴くとどんどん自分がちっぽけに思えてしまう。私は何をやっているんだろう。どうしてここにいるんだろう。何かに追われて、何かに責められているようでどんどん感情が押さえられなくなる。この歌に向かいあえる自分を見つけるまでにあとどれくらいかかるんだろう。

SAYAKAちゃんのCMの話でインタビューに応えた話の後
「Cosmic Blues」へ。暗くなった会場でベースの藤田さんは後ろを向いたまま。イントロと同時に振り返ったとたんあちこちから笑い声(笑)さっきまで着ていたコートを脱ぐと下は前身ガイコツの模様のつなぎを着ている。毎度何かやってくれますわー(笑)でもこの曲の杉さんのギターソロ、かっこいいですぅ。ケースケさんとの絡みもばっちり。続いて「Melting World」へ。どんどんヒートアップしていく。会場ももすでに総立ち状態。

「この前の連休はビデオをいっぱい借りてきて見たんですけど『キッド』っていうブルースウィルスの映画がすごく良かったです。たぶんリチャードバックの『僕たちの冒険』っていうのが原作だと思うんですけど…」をを、それじゃ「Good Friend」(Piccadilly Circus)にも繋がってるのですねん。「POP MUSICが出たとき、タイムマシンに乗ってティーンエイジャーの時の自分に聞かせてやりたいって思って作ったって雑誌に書いたんですけどまさしくそんな映画で、ふと逆に未来からの自分が『もっと頑張れよ』って言ってるのかもしれないなーって思ったりしました。」そして
「I've got a dream」を。「行きます…っていうと緊張しちゃうんだよなー」って言った先からやりなおししたりして(笑)でもやっぱりこの曲って気負いなく前向きにさせてくれる。嶋田さんのラグタイムピアノも素敵。

そして杉さんの子供さんの話へと。「担任の先生がどうも昔僕の曲を聞いてくださってたらしくてクラスの歌を作るってことになったらしいんです。そしたらうちの子供、先生から『曲は杉くんお願いね』って言われたらしくて…。それって俺に手伝えかぁ?って感じで(笑)でもやってたらのって来ちゃって、えーいウイングス風のブラスも入れちゃえーって(笑)そしたら先生大喜びしてくれたらしいですけど(笑)」いいなぁ(笑)そして
「君がいるから」を。杉さんの声が会場一杯に響き渡る。

そしてゲストコーナーへ。まず須藤薫ちゃんの登場。スカイブルーのカットソーに白のフレアースカート「いいですねぇ、春らしい感じで」「杉さんこそ小公子のようで」「紹興酒?お酒?」でたっ!(笑)「この前薫ちゃんの母校の獨協大学のイベントに一緒に行ってお手伝いしたんですけど…」「一人では自信がなくて一緒に行っていただいたんですけど…」「記念品もらったんですけど、獨協大学のタオル、これはまだいいんですけど…校歌のオルゴール…」「高そうなんですよね。私2つあるんです。」「獨協大学卒業の人にあげちゃおうか…」「スタッフの人にいるんですよね、私目をつけてるんです。杉さん、あげちゃダメですよ。」いいんですかぁ?そんなことしちゃって(笑)「この前、薫ちゃん誕生日でみんなでネパール料理の店に行ったんだけどロキシーって言うどぶろくみたいなお酒があって、そしたら薫ちゃん『これどぶくろですか?』って」(笑)「…ふ、不慣れな名前は言わない方がいいですね…」「不慣れなって、薫ちゃんこないだも『ほら、あのTVみたいなヤツで字が送られてくるやつ…』『メールのこと?』『そうそう』って(爆)80のババァと話してるんじゃないんだから(笑)自分ちにあるじゃないですかぁ!」「壊れて使えないんですぅ。杉さんもあんまり使えないんですよねっ!」「僕は使えますよー」「ほんとぉ?…くやしいなぁ…」「今日はあんまり聞けない曲をリクエストしたんですけど、もう今日しか聞けないかもしれないっ!」と言って英語バージョンの「ウイスキーがお好きでしょ(You & Night & Whisky)」を。ああ、嬉しいなぁ。いろんな人のバージョンがあるけど今日のこの薫ちゃんのバージョンはスナックでもバーでもなくてライブハウスの片隅のウイスキーのような気がする。本当に歌い手の個性がダイレクトに反映しちゃうなぁ。アレンジもジャズっぽくて本当にカッコいいし、ムードも満点。なのに杉さんたら、終わったとたん「マスターどぶくろ1つ」って。もぉーっ。(笑)

そしてChili Dogsの
谷口さんと清水さんが登場。谷口さんはストライプのシャツにパンツ、清水さんはマオカラーのスーツ。うわー、かっこいいっ!「どしたのしみちゃん、さっきとずいぶんちがうじゃない?」「めったに前に出ることないですからねぇ(笑)」「ガイコツ隠さなきゃね」「PKの壁みたいにね」「楽屋のモニター見てたんですけど変なんですよぉ」「説得力ゼロ!みなさん目をつぶって聞けばよかったですねー」なんていきなりハイテンション。このメンバーが揃ったらやっぱり「I need her love」ですね。何度もこのコーラスを聞いてきたけどどんどん崇高な感じが高まっていく。途中のピアノのアレンジも変わっている。拍手がやまなくて谷口さんが拍手の波を制する。なんだかすごいなぁ。そして「WAVE」へ。このコーラスも3人で。どんどん分厚くなっていろんな形に変わっていく曲たち。サビのところでは3人の振りがついている。大きな歓声がそのままに「素敵なSummer Days」へ。谷口さんの手拍子とみんなの手拍子がばっちり合って一体感が生まれていく。薫ちゃんも踊る、踊る。大きな歓声と拍手がやまない。

「楽しいですねーやっぱり友達はっ。続いて松尾清憲っ!小室和幸っ!」薫ちゃたちと入れ替わりで松尾さんと小室さんの登場。松尾さんはオレンジ色のシャツに黒のパンツ。小室さんは黒のシャツに黒のパンツ。白黒のチェックのネクタイが50S'みたいでカッコいい。「松尾さんのアルバム聴きました?」「パッション?」「パッションマッサージ?」でたー!(笑)「さてっこの辺で行っちゃいましょうか?」なんだかみんなそわそわしたムードが漂う。「ムーンライトランデヴー」

会場は一段と揺れが大きくなっている。杉さんと小室さんのコーラスもばっちり。小室さんは今回、楽器を持ってないので踊る踊る!こんな小室さん初めて(笑)ケースケさんのギターソロもカッコよすぎ!大きな拍手が鳴り止まないうちにドラムのカウント。あちこちから悲鳴のような声。
「歴史はいつ作られる」へ。うわー、こんな曲もやってくれちゃうんだ。みんな揺れたり、跳んだり。サビのコーラス、もぉ、ぞくぞくするくらいカッコいいっ!杉さんの声に松尾さんの声と小室さんの声、それぞれ声質はぜんぜん違うんだけど本当に溶け合って1つの形が出来上がっている。♪ここにいること間違いじゃないさと信じたいのさ♪なんだか沁みちゃってダメだー。ちっぽけな自分を認めてあげられるのも自分なのかもしれない。そして「ラストナイト」へ。ああ、ダメだなーやっぱり。自分の想い出の中の杉さんの曲が心の中でざわめく。ただの音楽なのに、そう言い聞かせてもどうしても気持ちがコントロールできない。メドレーのように「ミスターブギーの憂鬱」へ。会場はさらにヒートアップ。後ろも前もみんなみんな揺れている。終わっても拍手は止まらない。「どうもありがとぉー!」

拍手からアンコールの手拍子へと。大きなうねりが会場を包み込んでいる。「どうもありがとぉー!新しいアルバムを作ってこうしてみんなと会えて本当によかったと今、ひしひしと感じています。一昨年かな?Happyだった日にはスケジュールに『h』マークを付けるって言ってたんだけど最近はうれしい偶然があった日には『偶』を付けてます。ちょっとしたきっかけで僕は音楽をやるようになって、ちょっとしたきっかけでこうしてみなさんと会えて、本当にうれしいです。そんな気持ちをこめて歌います『永遠のShangri-la』…いろんな思いが空の星たちのようにきらめく。大切な思いが心の中で満たされている。たくさんのものに生かされている自分、いろんなミラクルが私をここにいさせてくれている。♪It's a miracle この星で君にめぐり逢えたこと…♪

静まり返った会場に少しづつ広がるアンコールの拍手。「どうもありがとー!メンバー呼んじゃおうかな?」と言って一人づつ紹介して行く。薫ちゃん、清水さん、谷口さんも。「それじゃ、楽しく行っちゃおうかなっ」「太陽が知っている」へ。イントロが始まったとたん会場が揺れる。薫ちゃんも気持ちがいいくらい揺れている。もうすっかりライブでは定着してしまったこの曲。杉さんから受ける暖かい気持ちがそのままのようなこの歌を聴いていると自然と顔がほころんで来る。♪愛し合って夢を分けあって許しあってそれでダメなら微笑んでいよう明日の行く先だったら太陽が知ってる♪大きな大きな拍手。そしてビッグバンドのようなあのイントロ「Happy Ending」へ。大きな愛がたくさんたくさん送られてくる。

「ホントはもう終わりだったんだけど、立ってる人ホントにごめんね、疲れたでしょ。おわびにもう1曲!振り付けが見たいからもう1回『WAVE』やっていい?みんなもやってねー!」「これ振り付けはパパイヤ清水ですから…」と谷口さん。ドラムのカウントで踊り始める清水さん。もう、誰か止めてーっ(笑)そして「WAVE」へ。ステージの3人の振りが会場全体へと広がって行く。みんなの振りが本当に波のように見える。♪素晴らしい波がごらんすぐそこまで近づいてるのを感じるよ♪曲が終わって杉さんたちがステージを下りても拍手は止まらない。いつしか当たり前のようにアンコールの手拍子へと変わっていく。会場が明るくなり、アナウンスが流れてもアンコールは止まない。

まだ残してきた何かがあるのか、それともただこの場を離れたくないだけなのか、それぞれの気持ちに違いはあれどアンコールの気持ちは変わらない。みんな不確かだけど確かな期待をもってアンコールを続けている。どれくらいたっただろうか、Tシャツにチノパンツの杉さんが登場。「すっかりくつろいじゃってたよぉ。今日はホントにありがとねー。だけどもう時間なんだって。ごめんねぇー。」杉さんの顔は安堵の笑顔。こちらもその笑顔につられる。杉さんの中でも満足した時間だったんだろうな。そしてそれぞれが帰路につく。

ほんの少しの偶然で杉さんに出逢って、ほんの少しの偶然で出逢った人達。そんな偶然を紡いで日常を作り上げて行く。そんな素敵な偶然を見逃さないように、大切に紡いでいけばいつか自分の道がつかめるのかも知れないな。すっかり人通りも少なくなった原宿の町を歩いているとずっと「永遠のShangri-la」が心の中で流れていた。

 

Thanks to my soulmates
& Masamichi Sugi & MSQ
witn Hug & Kiss !!

Written by nia