at 吉祥寺Star Pine's Cafe

杉真理・須藤薫・松尾清憲
Chili Dogs are;
清水淳(Dr)・谷口守(Bass)・渡辺格(Guit)・坂本洋(Key)+里村美和(Per)

ステージのあちこちにひまわりの花が飾られて、会場にはずっとボサノヴァが心地良く流れている。昨日に引き続き「日本の夏・緊張の夏」。今日はどんなライブになるんだろう。そわそわした雰囲気が会場を包む。黒いシャツに白のパンツの杉さん、白いペイズリー模様のワンピースの薫ちゃんが登場。Chili Dogsのメンバーも夏っぽい雰囲気。

「One Two Three Four…」カウントから杉さんのアコースティックギター。なんだろう…と思った瞬間コーラスが重なって行く。「素敵なステディ」だ!こんなアレンジ初めてで聞き入っているとそんな余裕もなく「渚のエンジェル」へ。杉さんと薫ちゃんの曲がメドレーでつながって行く。「恋のビーチドライバー」「小説家と結ばれる方法」「この恋に夢中」薫ちゃんと杉さんのPOPな夏の曲たちがドキドキした夏の海を思い出させてくれる。「Davy's Davil」「恋のかけひき」「涙のマイボーイ」「恋のフォトグラフ」「涙のステップ」…そして少しづつ翳り行く夏の恋。「青い楽園」「渚で会いたい」「裸足のままで」…。「どうもありがとう!こんばんは!」コーラスの余韻が残る中メンバー紹介。金髪夏毛の清水さん。クールな谷口さん、帽子がお似合いのいたるさん。会場から大きな大きな拍手。素敵な夏のシーンをちりばめたオムニバス映画のような13曲にも渡るメドレーからの幕開け。

「上手く出来た!」誇らしげな薫ちゃん。ずっと眠れない日が続いたそうで、大変なリハーサルだったのでしょう。笑顔の杉さん。「では私たちの仲間を紹介したいと思います!松尾清憲!」松尾さんの登場。「昨日はMonkey Forest Bandで猿、今日はChili Dogsで犬と言うことで…(笑)松尾くんともう一人、キーボードで入ってくれてるサントリー坂本!すごい人なんですよ、こいちゃん(小泉信彦さん)の事務所の社長でもある…」「あいつには高い給料払いましたよ(笑)」初めてとは思えない流暢なMCの坂本さん。「それでは松尾先生の曲を…」「今頃サンセットで…」「そう、犬のこうやって…サンセットトリマー…」…出た!(笑)。サントリーさんのピアニカのイントロから松尾さんの「サンセット・ドリーマー」。清水さんのパーカッションも心地いい。初めて聞く杉さんと薫ちゃんのコーラスもアコースティックな雰囲気とあっている。

「僕と松尾さん、僕と薫ちゃんは接点あるんだけど、松尾さんと薫ちゃんは接点ないかと思ってたら…。」「昔ね、曲を2曲。」「松尾さん覚えてないんですー!」「ひどいんですよ、この人たち!松尾さん曲かいてなかった?って聞いたら…あれ?どれだっけ?とかって薫ちゃんは覚えてないし、松尾さんは書いたかなーとか言ってるし…。」「たしか書いたような気がする…とか…。」「たららららららーん(「昼下がりの誘惑」のサビ)って言うと…。」「それ聞いた事ある!ってね。あれオレの曲だったんですね。」「こんな日が迎えられるとは思いませんでした。」「タイトルなんだっけ?」「ひ…『昼下がりの情事』…」か、かおるちゃーん!ちゃいますぅー!「昼下がりのポール?」(笑)『昼下がりの誘惑』!」新しい息吹を吹きこまれたようなこの曲もずっと聞いてなかったのに口ずさめてしまうのが不思議。

「松尾さんっぽいよねー」「松尾節?カツオブシ?」(笑)「初めて歌ったんですー!いい曲ですよねー改めて歌っててわくわくして!」「初めて?世界初ですねー(笑)今度は世界初とは言いませんが、世界で2番目!14年前に1回やったっきりの曲を…夏ですし…」と思わせぶりの杉さん。何だろ、何だろ。「グッバイ・ロッカフラボーイ」!あたりからは悲鳴のような歓声!伊豆でもリクエストされてたもんね。清水さんのドラムからいたるさんの綺麗な青いギターと透明のスライドバーがきらきら光ってC調な音をかもし出す。薫ちゃんのコーラスが重なるともうすっかり「Summer Lounge」の世界。思わず身体も揺れる。

「今回本当は『Bisha Bisha』だったんですけど機材の都合で延期になってしまいまって急遽みんなを呼び寄せて決めたわけですけど、どうしよう、どうしようって言ってる姿が当事者は大変なんですけど、TVドラマだったら楽しいかな・・・って。」(笑)「大変だったけど楽しかったよね。」「結束力がね。」「私、こんなに努力したのはじめて…このくらい勉強したらもっといい大学に入れたんじゃないかなーって…。」「いいんですかぁ?そんな事言って(笑)…この前、僕CM(Kit Kat)の仕事をしまして女性が歌うっていうんで書いたんですが『杉さん歌ってもらえませんか』って言われて歌いました。9月か10月から流れると思うんですが雨のシーンで…。」「どんな曲ぅ?」いいぞー!薫ちゃん!「えー?急に言われても〜」と言いながら♪Don't be sad…♪としっかり歌ってくださいました。とっても優しい曲でオンエアーが楽しみです(^^)「では、流れた『Bisha Bisha』を偲んで…雨の曲を『雨の遊園地』。」しっとりと薫ちゃんのボーカルからまたメドレーで「七番街の雨の朝」へ。優しい雨に包まれて行くよう。続いて「恋の雨音」から「バカンスはいつも雨」へ。そして「憂鬱という名の雨」

「松尾さんには2曲書いてもらってるんですけど、レコーディングの時は一切顔を出さなかったから超個性的なあくの強い方だと思ってたんです。」「いや、僕のところに資料が来なかったんです。すみません。」「松尾さんのこと、実は利用させてもらったことがあって、子供のお母さんとお話したときに松尾さんのファンの方がいらして、松尾さんのサインが入った写真をあげたら、学校の役員をやっといてあげるわ〜って言ってくれたんです。」「役に立ちましたねー。」と松尾さんもご満悦(^^)「これから杉さんとか松尾さんとかブロマイド的に持ってようかな(笑)。次は松尾さんの曲ではなくて…。」(笑)「杉さんの曲でもなくて…。」(笑)「『パール色の坂道』聴いて下さい。」…?…か、かおるちゃーん!すかさず杉さんフォロー「坂道はパール色」ですってば(笑)

「さっきの雨コーナーに続いてここは色コーナーなんですが、色といえばおじいちゃんのところに青い立方体の時計があってそれ以来かなブルーフェチになったのは。里村さんにはかないませんけど(笑)。では次は『さよならはレバニラ色』…じゃなくてそれじゃ茶色ですね。『さよならはヴァニラ色』(笑)」

「2人は色の曲いったんですけど、僕はないもんでしっとり系を…しっとるけ〜じゃないですよ。」「ナーイス!見事な攻撃だ!」ま、松尾さんのブラックデビルなんて…(絶句)。「そんなことはどうでもいい(笑)『フランシス泣かないで』聴いて下さい。」さっきまでのおちゃらけた雰囲気を一掃するような切ないピアノのイントロ。何年たってもこの歌は夏の終わりが似合う。

「次は3人でやるにあたって新しいことをやろうと思って『5つの銅貨』をやろうと思います。『5つの銅貨』ってダニー・ケイの映画なんだけど…。」「がちょーんって。」「それは谷啓ですね(笑)。『5つの銅貨』っていうのは…最初の銅貨は願い事の銅貨、これで願い事が叶うよ、2つ目の銅貨は夢の銅貨、なんでも願ったことを夢にしてくれる。3つ目の銅貨は踊る銅貨、キラキラひかるのを見てごらん。4つ目の銅貨は笑う銅貨、これがあれば涙なんか吹っ飛んでしまう。5つ目の銅貨、これが一番大切な銅貨、愛の銅貨。愛があるところはそこは天国。5つの銅貨を手に入れたら君は億万長者だよ、っていう歌なんですけど。それでは行ってみましょうかね、『5つの銅貨』『ぐっすりお休み』『ラグタイムの子守唄』」杉さんのギターから薫ちゃんの『5つの銅貨』を。映画の中では主人公の小さな娘がたどたどしく歌っているけれど薫ちゃんの歌声もそれに負けないくらいキュート。続いて杉さんの「ぐっすりお休み」へ。ゲームに負けた父親がせがまれて連れてきた友人のルイアームストロングのライブから早く帰ろうとせかす歌。優しくて暖かい子守唄。そして松尾さんの「ラグタイムの子守唄」。ルイアームストロングばりの渋い松尾さんの声が素敵。そして3人の歌が重なってそれぞれ違うメロディが交じり合って1つの曲に紡がれて行く。会場からは大きな大きな拍手。ため息さえもこぼれてしまう。

メンバー紹介の後、里ちゃんの登場。「じゃぁこのメンバーで『WAVE』をやってみたいと思いまーす」「WAVE」へ。続いて薫ちゃんの「REMEMBER」から、立て続けに松尾さんの「サニー・シャイニー・モーニング」。イントロのいたるさんのギターがほれぼれしちゃうくらいカッコイイ。薫ちゃんの「8月生まれ」。夏の匂いがどんどん濃くなってくる。やっぱり8月にはこの歌を聴かなくちゃ。杉さんもニコニコ。♪そう私8月生まれ〜♪杉さんったらまるでアイドルみたいな振り付けしちゃって〜、いやーん、素敵(^^)。続いて「素敵なサマーディズ」へ。会場は総立ち。やっぱりこれがなくちゃね。手拍子もばっちり。いたるさんのベンチャーズばりのテケテケギターもいかしてるっ!そして間髪いれずに松尾さんの「グッバイガール」へ。会場はどんどんヒートアップ。「どうもありがとー!」大きな拍手からアンコールの手拍子へ。

「どうもありがとー!じゃぁもうひと盛り上がりしたいと思いまーす!」薫ちゃんの「Foolish」へ。だけど薫ちゃんの目からは大粒の涙。頑張れ、頑張れ。みんなが大きな声で後押しをする。一生懸命歌おうとする薫ちゃん。だけど歌えない。メドレーのように杉さんの「Teardrops are falling」へ。♪涙あふれて止まらない〜♪のは薫ちゃんかも。そして松尾さんの「Oh,キャロライン」へ。「どうもありがとー!」

鳴り止まない拍手。再びアンコールの手拍子へと変わっていく。「どうもありがとうございました!」メンバーが登場し、それぞれに頭を下げる。「僕たちは楽しんでるんですけどみなさんどうですかー?」大きな大きな拍手。なんだかオモチャ箱をひっくり返したようなそんなドキドキがたくさんあったライブだったな。「今回ホントにどうなることかと思ったんだけど…幸せです。」涙、涙の薫ちゃん。「杉さんが歌い出すと杉さんのファンの方が本当に嬉しそうで、今度松尾さんが歌い出すと松尾さんのファンの方が本当に嬉しそうで…その音楽に参加できてるんだと思ったらすっごく感動しちゃって…」薫ちゃーん、みんな薫ちゃんの歌を聴いてだってすごく幸せな気持ちにさせてもらってるんだよぉ。薫ちゃんはホントに素敵なシンガーなんだから!大きな大きな拍手。「それじゃ行きましょうかー!」ともうすっかりおなじみの「ロマンティック天国」。薫ちゃんのきらきらした笑顔が本当に素敵。「最後に僕と松尾君の共作のこの曲を聴いて下さい!」いたるさんのギターソロから「君の物語」を。音楽のポーズボタンを解除した薫ちゃんはきっと自分で思っている以上にずっと高い所に立っている。それはここにいるみんなが認めてる。もっともっと自信を持って。そして素敵な歌を聴かせて。なんだかそんな風に声をかけたかった。「君の物語」から「愛しのロージー」へのメドレー。心憎い演出。

会場にはもうBGMが流れているのにアンコールの拍手は続いている。「ホントにどうもありがとう。…曲がないんですけど…『5つの銅貨』もう一回やってもいい?(笑)今度9月にはお台場でこんな感じでカバー曲なんかも3人でやろうと思ってるのでよかったら来てください。残すところ夏はあとちょっとですけど、思いっきりはじけましょう!」そして優しい杉さんのギターから薫ちゃんが「5つの銅貨」を。願いがあって、夢があって、踊りがあって、笑顔があって、そして愛があふれて、暖かい柔らかい空気が私たちのまわりを包んでくれている。3人の歌が絡まりあって一つのメロディに溶けて行く。「Good Nightー!」惜しみない拍手。終わってからの余韻をかみ締めたいようなそんなライブ。億万長者にはなれないけれど、たくさんの大切なものをもらったそんな夜だった。

 

Thanks to Masamichi Sugi & Kaoru Sudo &Kiyonori Matsuo
& Chili Dogs &My soulmates

Written by nia