at リゾナーレ小淵沢
6th to 8th October 2001

杉真理 & MSQ are 島村英二(dr)/藤田哲也(b)/嶋田陽一(key)/山本圭右(g)
Guest are 松尾清憲・須藤薫

10月6日(土)

3人でPPMの「Day is done」を小淵沢1日目、懇親パーティの会場に行くと入り口でワインを渡される。なんだか普段とは違ったムードで、みんなもなんだかおしゃれしてきらきらした雰囲気。中に入ると円卓が並び、さながら結婚式の披露宴状態。なんだか緊張。間もなく杉さんたちも登場。ボーダーのカットソーにパンツというカジュアルな杉さん。にこにこの杉さんが音頭を取ってワインで乾杯。うーん、おしゃれですぅ。

料理もすすみ、しばらくすると杉さんがマイクを取り、ツアー参加者それぞれを紹介してくださる。本当に杉さんの記憶力には脱帽。初めて参加される方は緊張と興奮が伝わってきてこっちまで顔がほころんでしまう。とか何とか言っているうちに私の番。うーん、また舞い上がって何を聞かれたんだか、どう応えたんだか…(^^;;。あー、もったいない。その後、杉さんは各テーブルを回ってきてくださったのですが、私は「KitKat」の歌詞を聞くのが精一杯。でも分からない部分を教えていただいて感激でした(*^^*)

そうこうしているうちに杉さんが白いギターを持ってステージへ。「一人でやるのも何なんで、須藤薫さんっ、手伝ってちょ。松尾清憲さーん、キヨノリ、トモダチー」この前行ったUSJのETネタですね(笑)「今日の格好はあまりにもラフすぎましたね。明日のパーティは杉さんウェディングドレスで…(笑)」と松尾さん。ホントですねぇ?(笑)「何の打合せもしてないんだけど…何がいい?(笑)」「ケーキ食べてたのにぃ。」と薫ちゃん(笑)「この前『Three Cats Night』でやった曲やろうかな。PPMの曲を…僕も歌詞はっきり覚えてないんだけど『今日が幸せに終わるだろう』っていう『Day is done』を」と杉さんのボーカルで。途中、歌詞が怪しいところもあったけど、優しく息子に語りかけるこの歌。こうして歌っていくことがこれからへと何かを繋げることになるんだろうな。

「ピカデリーに書いた曲なんですけど『愛はタイムマシーン』を。モンキーフォレストでは3人でコーラスをやったんだけど、今日は僕が歌うからみんなコーラスをちょっと手伝ってみない?」とお茶目そうにコーラス指導をする杉さん(笑)。松尾さんのパートを説明しながら「うーん、やっぱりやめようか(笑)やれる人だけでいいやー」と杉さんがメインで「愛はタイムマシーン」を。松尾さんと薫ちゃんの追っかけコーラスも素敵です。歌詞をかみしてめているとさっきの「Day is done」のように今の世界の状況とオーバーラップしてくる。

「じゃぁ、最後に『WAVE』、これはみなさんに参加していただきたいなって思って…行くよっ!」とパートに別れてコーラス指導。「笑ってる場合じゃないですよ、照明の○Xさん、明日照明しながら(コーラス)やるんですよ」なんて言いながら(笑)だけどこれがなかなか難しい。つられちゃうし、コーラスに気を取られて手拍子ができなかったり(笑)なんだかみんなで歌ってると一体感ができて嬉しくなってしまいます♪「どーもー」と言いながらステージを下りる杉さん。ああ、どこにも帰らなくていい日々が始まったんだなぁ(うっとり)

10月7日(日)

昼間はあたりを散策したり、ホテルのプールで遊んだりしてすごし、いよいよ夕方からはホテル内の「音楽の森ホール」でライブ。ホールの中は広く、落着いた雰囲気。旅行気分で浮かれてたけど、久し振りのソロライブ。席に着こうとするとまわりはみんな知った顔ばかり。なんだかそれだけでも嬉しかったりして。

あたりが暗くなり、ステージに真っ赤なシャツに赤のネクタイ、黒のパンツの杉さん、松尾さん、薫ちゃんが登場。「こんばんはー前座の『スリーリゾナーレ』です〜」と3人で「Moon River」を。先月あった「Three Cats Night」の再現のよう。続いて松尾さんのヴォーカルで「ムーンライトランデヴー」。3人のコーラスが入って「ムーンライトセレナーデ」をフューチャーしたバージョンも好評でしたもんね♪「改めましてこんばんは、杉真理です。今日は前座ということで(笑)。昨日は早く着いちゃったって事でバッファロー砦に行って馬に乗ってきたんですけど(笑)その後、4輪バギーに乗って来て…。1曲目の『Moon River』はオードリーヘップバーンが歌ってるんですけど、オードリーの事を歌った曲で…」「さよならFunny Face」を。

「この前、この3人とスタッフで大阪に行った時にUSJに行ったんですけど…」「杉さん、なんか若い気分になったーって言ってたけどいっつも無邪気じゃないですか(笑)」薫ちゃんのするどい突っ込み(笑)。「ET見なきゃごねるぞって言うスタッフがいて135分待ちしました(笑)」そこですかさず薫ちゃんがETの物まね。似てるーっ!「帰りに『写真お願いできます?』って言われたから撮られるのかなーって思ったらシャッター押してくれって言われて(笑)。よく言われるんですよー頼みやすいんでしょうけど。それを横でスタッフが珍しいからって写真を撮る僕を写真撮ってましたけど…何の人だろうって思われたんじゃないかなぁ(笑)」

続いて薫ちゃんの「同い年の恋」をしっとりと。松尾さんの流れるようなピアノも素敵。「『イマジン』が放送規制になってたけど解除になって、この前ニールヤングがチャリティコンサートでこの歌を歌ってて感動しました。次は僕の理想郷ってことで」と松尾さんが「シャングリラ」を。「さっき中庭の所で今からやる曲ディキシーバンドがやってたんですけど聴いた人います?」そうそう、ホテルの中庭でアマチュアのバンドの方がやってたんだけどこの曲もやっててなんだか嬉しくなったのでした。「それでは『5つの銅貨』『ゆっくりおやすみ』『ラグタイムの子守唄』を。寝ちゃわないでね。」薫ちゃんの「5つの銅貨」から。やっぱりキュートで、それでいて暖かくて優しくて。いつのまにかMSQのメンバーたちがそれぞれのポディションに付き、音が重なって行く。そして3曲別々の曲が混ざり合って溶けて行く。今まで聴いた「5つの銅貨」より、JAZZっぽくて大人っぽい。思わずうっとり。「松尾清憲さん、須藤薫さんでしたーっ!」

間髪いれずに島村さんのドラムのカウントへ。イントロが出た瞬間鳥肌。「Don't stop the music」だー。今までのThree Cats Nightの雰囲気から一瞬にしてそこはソロライブの空気へ。こんな曲から始まるのがやっぱりソロの醍醐味。ちょっとそわそわ。出来ることなら立っちゃいたい気分。さすがホールライブ。音もきれいだし、何よりライティングが本当にきれい。真っ赤なライトに照らされる赤のスーツの杉さんは、まぎれもなく20年前私が憧れていた雲の上の杉さんだ。ピアノのイントロから「スターライトラプソディ」。はぁ〜。心はタイムスリップ。顔がほころんじゃったまま戻らない。嶋田さんのピアノもゴキゲン。

「どうもありがとうございますー。2部に突入しておりますー」にこにこの杉さん。そしてメンバー紹介。「この前はドクロの衣装だったけど今回はわりと地味目に(笑)」とベースの藤田さん。「日本にこの人あり!」のドラムの島村さん。嶋田さん。まだ風邪の病みからあがってないギターのケースケさん。そしてキーボードのイントロから…思わず椅子からずり落ちそうになる。隣でNちゃんがうなづいてくれる。みんなおんなじ気持ちなんだなぁ(感涙)。みんな「Lonely Girl」なんだもんね。ドキドキがやまない。あー、ずっとこの曲が終わらなかったらいいのに。大きな拍手。「小淵沢ってホントにいいところですよね。こういう緑の中でみなさんとコンサートが出来るなんて夢みたい。次は『So fine, So good』って曲なんだけど『So fine』って叫んでくれたらSo, fine度が増すと思います(笑)」ケースケさんのファンキーなギターもゴキゲンですぅ。

小淵沢の駅のホームで見つけてしまった「大清水」「So fineな気持ちになれましたでしょうか?(笑)ちょっとお水飲んでいい?よく駅に売ってるけど『大清水』って『おおしみず』なの?『だいしみず』なの?」うーん、自信ないけど「おおしみず」だと思いますぅ(笑)。「じゃ、この辺で秋っぽい曲を…」「Romancing Story」。ああ、ホントにこの小淵沢の風景とこの季節が似合う曲です。思わずうっとり。続いて「月に行く舟」。この時期にこの曲を聴かせていただいてホントに幸せ。ラグタイム風の嶋田さんのピアノも素敵。

「どうもありがとう。あのショッキングな全米同時テロからもうすぐ1ヶ月ですけど、今度のことでいろんな事を考えされられました。音楽は無力なんじゃないかって思われるかもしれないけど、飢え死にしそうな人とか傷を負った人には外科的な事が必要だけど、外科だけじゃ、心の内側まで直すことは出来ない。音楽ってすぐには効果は出ないかもしれないけど、内科的なことや、漢方薬的な意味で必要なんじゃないかと思います。愚かなことをしたテロリストたちが小さい時から『愛こそはすべて』とか『イマジン』を聴いてたらきっと違う人生を歩んでたんだろうと思います。そういう組織は目に見えない音楽のパワーを知ってて禁止してて、ずるいなーって思います。音楽って歌詞だけじゃなくて情報も伝えることが出来て、音楽を聞くことで遠くに他にも同じように感じてる人がいるなーとか、世界は敵ばっかりじゃないんだなーって思わせてくれたりして…。この前、『A.I』を見てたら水没したN.Yが出てたんだけど、倒壊した世界貿易センタービルがあって、すごく悲しい気持ちになりました。だけど、また世界貿易センターが新しく建って、こんなに無防備にしてても誰からも傷つけられない世界になったっていう平和の証になればいいなって思います。」「未来世紀の恋人へ」を。♪悲しみも争いも国境さえない君の住む場所は未来♪という歌詞がこのために作られたかのように聴こえてくる。

「みなさんの手拍子、足拍子が頼りです(笑)。いつもは座ってやるんだけど…」「I've got a dream」を。会場からは手拍子。気負がなくて前向きになれちゃうそんなこの曲のファンって多いですよね。「今日はほんとに天気がよくて、そんな暖かい日のことを歌った曲です。」「君がいるから」。広いホールに響きわたる杉さんの声。水を打ったように静まる会場。ほんとにうっとり。ギターを持ち替えて「今日は星が見えるといいなーという思いを込めて星シリーズを何曲かいってみたいと思います。」「Cosmic Blues」を。そして荘厳なイントロから「いとしのテラ」へ。さまざまな色のライトが杉さんを照らす。そしてドラムのカウントから「スクールベルを鳴らせ!」へ。ドキドキが止まらない。あの頃もそして今も変わらないStargazerたちがここにいる。時を経てたどりついた、約束のこの場所。赤ちゃんの鳴き声から「プレアデス星への招待状」。本当にたくさんの杉さんの星の曲たち。「どうもありがとー!それではここでもう一度呼んでみたいと思いますー!」と松尾さんと薫ちゃんの登場。「では『WAVE』をやりたいと思います。知ってる人はいろんなパート歌ってちょんまげっ!」昨日さんざん練習しましたもんね(笑)大きな会場に響きわたるみんなのコーラス。「いくよー!」どんどんコーラスの声が大きくなる。「じゃぁ最後の曲ですー『太陽が知っている』!」なぜか立つタイミングを逃していたけれど杉さんの声を合図にみんなが立つ。やっぱりね、この曲は座ってなんて聴いてられない。♪川のように音のように香りのように流れてゆくそれが人生♪。いろんなことがあるけど結局はなるようにしからないもんね。「ビバ!小淵沢!」ステージを下りるメンバー。拍手がやまない。そしてアンコールの手拍子へ。

「どうもありがとー!」再びステージに現れた杉さんの手にはヘフナーのバイオリンベースが。「こういう環境でやれるのは本当に嬉しいです。僕がベースを持って、藤田君がギターを持ってるのも珍しいと思うんですが、藤田君のイントロにも注目してね。」ってことはあの曲ですねー。ふふふ。藤田さんのファンキーなイントロからポールの「Silly Love Song」へ。はぁ〜。いっぱいのI love youに会場が包まれる。薫ちゃんと松尾さんのコーラスが重なってゆく。バンドバージョンのこの曲もさらにスケールが大きく感じられる。「もう一丁ー!1.2.3.4ー!」イントロが流れた瞬間悲鳴のような声!その声と同時に廻りが一斉に立ち上がる。ああー、みんな同じだぁ。「Nobody」が会場のテンションを一気に上げる。音楽って本当に不思議だ。瞬時にしてこれだけたくさんの人が気持ちを分かち合える。そう、もうすぐジョンの誕生日だもんね。

なりやまないアンコール。「どうもありがとうー!ホントに楽しかったなー。楽しんでもらえたかな。メンバーもう1回紹介しますー。」とメンバー紹介。「みなさんとこうやって過ごしていると林間学校に来たような懐かしい気持ちになれました。最後にこの曲をみんなにプレゼントします」「君は天使じゃない」を。杉さんの手にはマイクだけ。ピアノのイントロが響きわたる中、スポットライトに杉さんが照らされている。ゆっくりと客席に近づいて、一人一人に歌いかけているよう。水を打ったように静まり返った会場に杉さんの声が波紋のように広がって、全てのものが浄化されてゆく。♪I say I love you forever…君は天使じゃないさ…♪「どうもありがとー。おやすみー。」静かに心の中に残るおだやかで暖かな気持ち。この気持ちが目に見えない音楽のパワーなんだろうね。

乾杯〜♪ライブが終わって打ち上げ会場である、昨日のパーティ会場へみんなで移動する。ライブが終わってもみんなと一緒にいれるっていうのはやっぱりうれしい。ライブの事を話しながら会場に着くと今日は立食パーティ。まもなくライブを終えた杉さんを始めメンバーが入場。昨日とはうって変ってみんなドレッシーな装い。杉さんはバラの模様のシャツに真っ赤なスーツ。松尾さんも合わせたかのようにバラの模様のジャケット。薫ちゃんは黒のセーターに黒のパンツ、真っ赤なショールを羽織っている。みんな揃って乾杯の後、食事をしていると杉さんが各テーブルを回ってくださる。いろいろと話し掛けてくださるのだけど、またもや(笑)何を話したのかさっぱり覚えておりません(情けないっ)。その後も薫ちゃんや松尾さんをはじめメンバーの方々が回ってきてくださる。立食のよいところでみんなもあっちこっちへ移動したりして(うふ)

しばらくして杉さんがステージに立ち、メンバーとスタッフの紹介。「せっかくだから何かやろうか?」と松尾さんと薫ちゃんをステージに呼んで杉さんがギターを構える。「実は、今日(ライブで)キットカットのCMの曲をやろうと思ってたんだけど忘れてたのでここでやろうと思います。♪Have a break〜♪のとこ、簡単だからみんなやってね。すぐ、しごきに入ります(笑)」と恒例の(笑)コーラス指導。薫ちゃんのマイクが出ないので松尾さんとマイクを供用して「ビートルズみたいだね」って(ふふっ)「空が灰色になったからって悲しくならないで。考え方を変えれば雨が降っても、世界は君にとって面白い場所じゃないか、行くところがないからって…えー…なんだったっけ?…太陽が見えてくるよ、きっと誰かが君みたいな面白い子を待っているよって。面白い子に捧げます。」KitKatの曲を。改めて歌詞を聞くと本当に杉さんの歌詞だなーってしみじみ感じられて嬉しくなる。「どうもありがとーっ!」みんなのコーラスも加わってさらに暖かい気持ちに。「おしまーい」と言ったとたんみんなからブーイング。アンコールの手拍子おこる同時に薫ちゃんと松尾さんはステージから降りて一緒にアンコールの手拍子を。「あっ!敵側に回ったなー」なんて言いながらも「曲がないんですけど、何がいい?」と。会場からはあちこちからリクエストがかかる。すると薫ちゃんすかさず「SAYAKAちゃんの曲〜っ!」いいぞー!薫ちゃんっ!だけど「歌ったことないからやめてっ!」とあっさり却下。「じゃ、『ロマンティック天国』やる?歌詞覚えてる?覚えてるわけないよね、薫ちゃんが(笑)」とこれも却下。「そういう、マニアックなのはやめてー」「それって悲しすぎるよー」「みんなで歌えるのがいいよねー」「きゅ、急に言われると…あれ、転調あるからなー…できないわけじゃないんだよー(笑)」だけどなかなか決まらない。「じゃ、『Catch Your Way』で、どうだっ!簡単でいいよね(笑)」と言うと大きな拍手。みんなで歌う「Catch Your Way」。歌いながらニコニコしてきちゃう。「どうもありがとう。今度、12月に急遽BOXをやることになりました。松尾先生っ!何か1曲BOXやりますかね。『風のBad Girl』でも…」きゃー!会場からは黄色い声援。二人が声を重ねただけでまたさっきとは全然違うムード。はぁ〜。うっとり。一段と大きな拍手。杉さんたちがステージから降りてBGMに「Temptation Girl」のイントロが流れたとたんまた黄色い悲鳴が。はぁ〜12月にはどうなっちゃうんでしょう(笑)パーティ会場を出た後も幸せな気持ちでいっぱいだった。

たくさんの緑とたくさんの音楽、そしてたくさんの仲間。贅沢で夢のような時間。そんな時間が過ぎて行く。思いっきり深呼吸をしたら緑と音楽でいっぱいの小淵沢の空気が身体の中に染み渡って行った。目に見えない力が私にエネルギーを与えてくれているみたいだ。帰りの電車の窓から見た空は一段と高く、澄み渡っていた。この空が海の向こうまで繋がっているのなら、いつか言葉では伝え切れないこの目に見えない力が届くはず。この力が1日も早く風に乗って届きますように。

悲しみも争いも国境さえない 君の住む場所は未来
ある晴れた午後 空の青さに懐かしさを感じたなら
きっとそれは僕が見た空

「未来世紀の恋人へ」

 

Thanks to Masamichi Sugi & MSQ
& Kaoru Sudo & Kiyonori Matsuo & Dreamland
& My soulmates with Hugs & Kisses

Written by nia