★24th September 2001★杉真理・須藤薫・松尾清憲
会場であるPATA PATA de LA SALSAは大阪の帝国ホテルの地下にあるライブハウス。ほんの少し大人の雰囲気で(笑)みんなと食事をしていい感じになってきたところで今日の主役であるステキな3匹の猫たちの登場。いつもなら緊張する開演なのになんだか今日はゆったりとした雰囲気。
杉さんは赤系のマドラスチェックのジャケットに白のパンツ、薫ちゃんは緑のタータンチェックのジャケットに黒のパンツ、松尾さんは茶色のスタンドカラーのジャケットに黒のパンツ、杉さんの12弦ギターのイントロから松尾さんがリードをとってママス&パパスの「夢のカルフォルニア」。意外なオープニングにすこしびっくり。薫ちゃんのコーラスも効いている。「こんばんは、Three Cats Night、僕たち3人だけと言うことで中小企業関係でやって行きたいと思います(笑)一部、二部と別れてまして、一部はカバー曲をやって行きたいと思います。」と杉さん。「1曲目はママス&パパスの『夢のカルフォルニア』でしたけど、知ってます?」と松尾さんも客席に向かって話しかける。そんな近さを感じるライブの幕開け。
「次は僕なんですけど、高校時代にピーター・ポール&マリーのカバーをやってたことがあって、そのころから好きだったんだけど歌詞がよかったんでご紹介しますね」と杉さん。「…『なぜ私がため息をついているか尋ねるのかい?君は人類のしてきた事を受け継いで行かなきゃならないんだ。この悲しみと悲惨にあふれた世界で。どうしてそうなのって聞かれても私には答えられないけれど』…この歌を練習して本番の前にNYの悲惨な事件が起こって何となくグサッと来まして…。NY、僕は1回しか行った事がないですけど早く立ち直って欲しいな…って思います。アメリカは本当にすばらしい曲をたくさん作った国だから希望に満ちた光を見つけて欲しいな…って思ってこの歌を歌います。」と「Day is done」を。優しく語りかけるように歌われるアメリカの曲。希望と願いと祈りが伝わってくるようで胸が熱くなる。
「私も高校時代にやってた曲なんですけど…」と薫ちゃん。「カーペンターズの曲を通して知ったんですけど・・・」とシェリーフェブレの「ジョニーエンジェル」を。インストアなどで聞きなれている曲だけど3人でやるとまたコーラスが厚くて格別。「次の曲はバリツアーの時に部屋で弾いてたら隣の部屋の上田(雅利)さんが『さっき、あんたひいとったやろ、あの曲好きばい』とか言ってですね」「やですねー、バリで九州弁(笑)」ふふふ(笑)「クリフリチャードの『僕のエンジェル』っていう曲なんですけど元々はエルビスプレスリーが映画の中で歌ってたそうなんです。」と「僕のエンジェル」を。さびのコーラスに2人が加わるとさらにSweetな感じ。
「僕は最近CMとかもやってまして、10月からやる松田聖子さんのお嬢さんのSAYAKAさんの曲も書きまして、もうワイドショーとかでもやったそうで僕は見てないんですけど…見ました?プロモーションビデオっぽいんだよね。アイフルとかもやってるんですけど。おととい巨人ヤクルト戦を見に行きまして、終わって電車で帰ってたんですけど向かいに座ってる男の人がでっかい声で携帯電話で話してたんです。非常識なヤツだなーって思ってたんですけど話が聞こえてきて『オレだよ、あの子、○○のいとこ、あの子さ、今度アイフルのCMでデビューするんだってよ〜』…オレの曲じゃねーかってびっくりしちゃった(笑)」ふふふ、こちらの(辰田)さやかさんも杉さんの曲ですもんね。「次はNYに行った時に買ったCDなんですけど58年にヒットしたスカイライナーズの曲で最近ではブライアンセッツァーなんかもカバーしてるんですけど」と「Since I don't have you」を。ブライアンセッツァーのブラスバックで聞き慣れている曲だけどギター1本で聴くこの曲もまたステキ。杉さんのめずらしいファルセットも聴かせていただきました(^^)
「大きな悲しみに満ちていたNYですけど、大リーグも復活してイチローなんかも大活躍で日本人だけでなく、NYの人たちの心も応援してるんだって思うと、マネしちゃいますよ、私。」とイチローの構えの真似をする薫ちゃん。似てる似てる!「嬉しいですよね、日本人が活躍してて、新庄なんかも最初はちょっとハンサムだからって…って思ってたんですけどすごい頑張ってて、応援してるんですけど(笑)。NYだけじゃなく世界が平和でありますように…って思ってますけど。私は70年代に好きだったアメリカの女性シンガーキャロルキングの曲をお送りしたいと思います。」と「So far away」を。
「次は最後の曲なんですけどこの前スリーグレイセスがやってましたねー、この曲」と松尾さん。「スリーグレイセスといえば曲書いたんだよね」と杉さんが言うと薫ちゃんがすかさず♪Whisky and you〜♪って「ウイスキーがお好きでしょ」のさわりを。さすがっ!「次は『5つの銅貨』っていう映画があるんですけど、その中の曲なんですけどサッチモ…ルイアームストロング小林…忘れてください(^^;;」「ワンダフルワールドね。」「サッチモとダニーケイ」「がちょーんでしょ?」出た!(笑)「『5つの銅貨』と『ぐっすりお休み』『ラグタイムの子守唄』このメドレーをお送りしたいと思います。」薫ちゃんのSweetな「5つの銅貨」へ。杉さんの「ぐっすりお休み」に引き継がれ松尾さんの「ラグタイムの子守唄」へ。そして3人の歌声が重なる。魔法のように3つの曲が溶け合いそしてエンディングへ。「15分後に会いましょう〜」と3人はステージを下りた。
しばらくの休憩の後、3人が再びステージに現れる。何の前ぶれもなく♪Moon River〜♪インストアで話題になったこの多重コーラスを今回は3人で。これもまた格別。そして「さよならFunny Face」を。「どうもありがとうございます。オードリーヘップバーンの映画『ティファニーで朝食を』から『Moon River』と僕の歌でオードリーヘップバーンのことを歌った『さよならFunny Face』を聞いてもらいました。」「オードリーヘップバーンと言えばBOXの『魅惑の君』を思い出しちゃうね。大阪風に言うと『みわくのきみ』『ぼっくすぽっぷす』」もぅ〜(平坦に読んで下さい(笑))「オードリーヘップバーンの吹き替えをしてる池田昌子にやってもらおうっていうことになって、やっぱりすっごく上品な方ですっごい興奮しましたけど。大阪にも『えっ、オードリーヘップバーンでございますっ』って人もいますけど」ちゃうって〜っ(^^;;
「『ティファニーで朝食を』は同じアパートの人たちの恋のお話だったんだけど、次にお送りする曲はクラスメイトでしょうか、『同い年の恋』を聴いて下さい。」と薫ちゃん。松尾さんのピアノが重なってまたいつもとは少し違う感じ。「アメリカのテロ事件ですけど『イマジン』とか戦意を失うとかってあんまり流しちゃいけないんですってね、ホントはやりたいくらいなんだけど…」とイマジンのイントロを弾く松尾さん。くぅ〜聴きたいですぅ。「ジョンの曲ってユートピアソングが多いでしょ?「マインドゲーム」とか「愛こそはすべて」とか。ユートピアって人間の想像だけで終わってしまうのか、それだけじゃいけない。」と「シャングリラ」を。なんだかそんなMCを聞いた後だとしみちゃいます。
♪不吉な夢を見たのさ〜♪というシャングリラの歌詞から夢の話、そして最近よく行く焼肉屋さんの話へ。そして「ひさびさにやる曲です、『ガラスの恋人』」うう、こんな流れてこの曲行っちゃうんですかぁ?とか言いながらもしみじみ聴き入ってしまう。流れるように松尾さんのピアノから薫ちゃんの「いつかこの都会で」。ふぅ。薫ちゃんののびやかな声。当時聞いていた気持ちに社会人になった今の自分を重ねる。20年近く前の曲なのに、今の自分の気持ちがぴったり重なる。
「私の父親の名前は『ぶんぞう』っていうんですね、で、すごく怖い人だったんですけど、ごくごく親しい人には『ぶんちゃん』って呼ばれてたんです。で、近所のおばさんのところに遊びに行ってたんですけどある日、おばさんが『ぶんちゃん元気?今度連れてきてよ』っていうから意外な気がしたけど仲いいんだーって思って父を連れて行ったんです。で、連れて行ったらおばさん真っ青になって…おばさんは私が飼い始めた文鳥のことを言ってたんです…」か、薫ちゃーんっ。「40年近く前の話だけど悪い事しちゃったなーって思って。杉さん関係ない話しちゃった〜(^^;;」「いい話じゃないですかぁ。最近、僕キットカットのCMやってるんですけど見た方いらっしゃいますか?俺見てないんだよね。今日はやっちゃおうかなー2コーラスあるんだけど。」をを、2コーラスあるなんて初めて知りましたぁ(感涙)2番は「たとえ行くところがなくても太陽の光を通して君なら見えるさ 誰かが君を見てくれてるはずだよ」っていう優しい内容でした。サビには2人のコーラスが加わった豪華バージョンでした。
「これからはみなさんの手拍子が頼りです。次は『WAVE』って曲で4声なんですけど…」と客席をパート分けしてコーラス練習。普段メインしか聴いてないせいか難しいっ。で、始まっていい調子で手拍子をしててもいざコーラス部分になると手拍子が追い付かないっ。うう、不器用な私(^^;;「どうもご協力ありがとうございました〜」って声に続いて薫ちゃんの「恋に落ちよう」へ。ポップなナンバーだけどアコースティックで聞くのもまた違った感じ。そして立て続けに松尾さんの「グッバイガール」へ。薫ちゃんのコーラスが入るとまた違ったCuteな感じ。「どうもありがとー!」ステージを下りると拍手はアンコールの手拍子へ。
「どうもありがとうございますっ」「中小企業でしたけど楽しんでいただけたでしょうか?みなさんにまた手伝ってもらっちゃおうかな〜」とカウントをとる。ん、何だ?小粋で小気味いいコーラス、やっと松尾さんのメインボーカルが入ったところで「ムーンライトランデヴー」だって思い出す。意外なアレンジ。今日のちょっぴり気取った雰囲気と場所にマッチして自分がちょっと大人になったような気がする。途中で「ムーンライトセレナーデ」をフューチャーして。やってくれるなぁ。声がまるで楽器みたいに聞こえてくる。会場からは大きな大きな拍手。ステージから降りても会場は興奮した声がもれる。くー、やられたぁ。
再びステージに現れた杉さんの手にはポールと同じヘフナーのバイオリンベース。思わずのけぞり。「杉さん、それ何ですか?」「…三味線(^^;;」いやぁーん。「しんとしないでーっ。緊張するから(笑)。音楽って本当に素晴らしいと思います。音楽にはそういう直接的じゃないけど目に見えないパワーがあると信じたいし、そう思ってくれるみなさんが好きです。」そして松尾さんのピアノからポールの「Silly Love Song」を。会場が♪I love you♪で包まれて行く。じわじわと暖かい気持ちが広がって行く。これが目に見えないパワーなんだろうね。「どうもありがとー!」
やまない拍手。何度目かのアンコールの手拍子へ。会場にはもうBGMが流れ始めている。だけどやまない手拍子。もう無理だろうな…って思い始めたころ、3人がステージへ現れた。「どうもありがとー!」「ホントはもう曲ないんだけどどうします?」「昔ちょっとやった曲を」「1ヶ月くらい前にね」そう言って薫ちゃんの「Foolish」へ。こんなごきげんな曲、やってくれるなんて。そしてメドレーのように「Teardrops are falling」へ。わーい。そして「Oh! キャロライン」へ。笑顔でステージを下りる3匹の猫たち。新たな試みに大きな大きな拍手が送られる。
たった3人だけなのにこんなにもたくさんのバリエーションをつけて、そしてステキな曲たちとステキな思いを届けてくれた。ドキドキするような興奮とはまた少し違ったじわじわと暖かさが染みてくるライブ。こんな音楽を聴いて、そしてたくさんのものを感じてきたんだって見せてもらったような気がする。杉さんたちがその曲を聴いた時に背伸びをしたように今日、聴いている私たちにも背伸びをさせてくれる、そんな感じだった。時代を超えて愛される曲たち、そして自由と希望に満ち溢れていたアメリカの歌たちが色あせることなく受け継がれて行くそんな時間だった。私たちが感じた目に見えないパワーが世界中に広がりますように。
Thanks to Masamichi Sugi & Kaoru Sudo &Kiyonori Matsuo
& Nono-chan & My soulmates with Hugs & KissesWritten by nia